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[執筆記事紹介]ザコは避けろ、ボスはハメろ!探索とバトルをとことん楽しめる長編RPG「Artificial Providence 1」

[執筆記事紹介]ザコは避けろ、ボスはハメろ!探索とバトルをとことん楽しめる長編RPG「Artificial Providence 1」

1年ほど前に掲載した記事の掲載報告ですが、これは色々と語っておきたいな、というのもあり遅まきながら……。

このゲームを最初に触ってみたとき、HPのほかに防御結界のゲージがあるといった凝った戦闘システムなども惹かれるものがあったのですが、何より任意で受けられるチュートリアルの中に、回り道や障害物を活用してシンボルエンカウントのシンボルを回避する方法を実践的に学べる演習があることに、シンボル絶対避けるマンとして感銘を受けました。これは僕向けのゲームだぞ……!と思ったわけです。

で、実際にプレイしてみたら何というかもう、RPGに関する自分の理想を体現したかのようなゲームでした。

  • 前述の通りシンボル回避がゲーム側からも推奨されているような作りで、道中の雑魚敵を稼ぎポイントではなく障害と位置付け、いかに消耗を抑えてボスやユニークモンスターを倒していくか、というプレイに重きを置いたような調整
    • 「エンカウントを回避するチャンスが十分に用意された上で、いざ戦闘になったら逃走不可」という個人的に理想と考えている仕様(これは消耗時の撤退判断をどこでするかという緊張感にも繋がります)
    • 隠し通路が豊富。隠されたアイテムを探す楽しみがあるほか、これにより道を塞いでいる敵をスルーできる場合も多々あり、うまいこと探索して危機回避するのも楽しい
    • ほかにもダンジョンにおける障害について、正面突破以外の解法が存在することがあるのが面白い(TRPGっぽい?とか思ったり)。悪い魔術師の住処を守ってる門番的なボスを迂回する方法があったのですが、迂回した場合「よくぞあれを倒した」みたいなことを言われた時に(めんどくさいから倒したことにしよ……)と話を合わせる会話差分があったのは笑いました
      • ちなみにそのボスは迂回した上で後ろから戦いを仕掛けると「正面からの敵にしか対応していないようで混乱している」みたいな感じで弱体化するのも面白かったり
    • スキルが回数制で、探索中の回復手段は非常に限られる。無駄遣いしないことが大事。威力はそこそこだけど使える回数の多いスキルとかもあるので大技の温存といった戦略が発生する
    • ユニークモンスターの先にはお宝いっぱい。楽しい
  • 戦闘がめっちゃ面白い!
    • 行動不能系の状態異常やスリップダメージの活用がアツい
      • 本作はウェイト式(ゲージが溜まった時は時間が止まる)のATBで、睡眠・スタン・束縛という行動(ウェイトゲージの増加)を止める状態異常が非常に有効。ダメージを与えると解除されてしまうのですが、ものによっては放置しておけばかなり長時間行動を止められるので、ボスを束縛してその間に取り巻きを各個撃破、といった戦術が非常に有効
      • さらにさらに、ここがこのゲームの凄いところなのですが……行動不能系の状態異常はスリップダメージでは解除されないので、毒→束縛をかけたらあとは眺めてるだけでボスを倒せるなんてこともあります。もちろん効かないときは効きませんが
        • 戦闘の超高速化と、防御の自動選択ができるキーが用意されています。たぶん放置用だ、これ……
      • それとは別に「このゲームの状態異常すげぇ」と思ったのは、HP数十万のボスに即死攻撃が効いた時です。流石にメインシナリオのボスではなく任意で探索するダンジョンのボスでしたが。そもそも普通は試そうとすらしないと思いますが、「毒+低確率で即死」というというスキルがあるんですよね。この作りもうまいなぁと
    • 命中率を、ゲームを面白くする要素としてしっかり活用している
      • 基本命中率やスキルごとの命中率、敵の回避率から最終的な命中率が算出され、ターゲティング時に明示
      • 回避率が非常に高いが、睡眠の状態異常は効きやすい敵とかが居る(睡眠状態だと攻撃は必中、クリティカル)
      • 即時発動してそのまま次の行動に移れるスキルで、命中率上昇などのバフがある
        • 物理攻撃の基本命中率は低めなんだけど、使用回数が少なく効果時間も短めな必中化バフスキルを持つキャラとかが居て面白い。ここぞという時に使う感じ
      • などなど、運まかせではなく「当たらないのをどう当たるようにしていくか」というのを戦術として詰めていくのが楽しい
      • 不要論が出ることもある命中率。私も「とくに理由なく入れるくらいなら無い方がいい」派ですが、ここまでしっかりゲームデザインに組み込むなら断然アリだと思いました

  • キャラクターカスタマイズが楽しい!
    • パラメータは拠点にて経験値を割り振って上昇。パラメータに割り振った経験値を還元することもノーコストで自由に行うことができるため、成長というよりは状況に応じた調整を行う感じ。回避率の高いボスを倒しに行くので命中率に影響する値を高めに、とか。極振りもアツい
    • 魔法は習得したものをセットして使う方式ですが、魔法に設定された「CP」という値の合計値が一定値を超えないようにする必要あり。総CPの上限はゲームを進めると増えていきますが、強力な魔法は必要なCPが多かったりで組み合わせに悩んだり。パーティメンバー3人の役割分担もポイント
    • ざっくり言うと自由に付け外しができるパッシブスキル的な位置付けの「エクストラ」によるキャラクターカスタマイズも楽しい。レアなエクストラはダンジョン探索で入手できたり。こちらも「EP」という値の範囲でセッティング

そんな感じで、もうめちゃめちゃ熱中してプレイいたしました。作者さん本来の想定難易度だけど選択すると「とてもではないですが初見プレイの方にはお勧めできません」と言われる難易度HARDで初見プレイし、ボス・ユニークモンスターの類は任意のものも含めすべて倒したと思います。

ストーリーやキャラクターも魅力的でした。主人公達はある意味公務員的な立場ですが、数々の事件を経て組織に、そして世界の在り方に違和感を持ち、やがて真実へ……的なノリ。かなりスケールの大きな話にも発展し、歴史の闇に触れていくみたいな流れもアツかったです。

結構登場人物が多く、群像劇的にも熱い作品でしたが、その中でもやはり中心となるのは主人公達3人。公爵令嬢とその従者という立場を超えてお互いを想い合うイシュタルとセディル、それを見守る、一見ちゃらんぽらんだけどしっかり「お姉ちゃん」してるフィエリという関係性がもうね……。フィエリ自身の葛藤とかの話も良かったです。あとはやはり、二人のときも敬語が抜けないセディルにイシュタルが「今は二人でしょ?」と言う、という定番のやり取りがもういじらしくて、イシュタルが可愛らしくて……。

さて、そんな本作ですがタイトルに「1」とあるように続編が出ておりまして、こちらも勿論やりたい!と思っているわけですが、想定プレイ時間100時間前後……。じっくり時間が取れる時にプレイしたいと思っています。わたくし、RPGは想定プレイ時間の1.5~2倍程度かかるのが常なので(本作も想定20~30時間のところ、60時間を超えました)、200時間はみておきたい……。

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