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【計33作品】2017年にプレイしたRPGを振り返る

【計33作品】2017年にプレイしたRPGを振り返る

既に2018年も1/3が終わってしまいましたが2017年を振り返る記事です。SNSに感想を残すだけでなく纏めておきたいなあということで。遅くとも1月中には書きたかったのですがなかなか時間が取れず……。

以下、だいたい月別でまとめて行こうかと。複数月にまたがってプレイした作品についてはクリア時期ベースで。見出しのリンク先は配布先や公式サイトです。あ、ちなみにあくまで「僕が2017年にプレイしたゲーム」なので2017年新作とは限りません。あと、自分はRPGに何より「戦闘が面白いこと」を求めるので、そういう作品が中心になると思います。

1月

巡るダンジョン道中記(フリーゲーム)

ターン制の戦闘で、先手を取って敵の弱点属性を突くことでそのターン行動不能にさせられるシステムが特徴の作品。ボスを完封できちゃうこともあるというのが凄いです。感想などはおおむね上記記事で書き尽くしたのでご興味があればご覧いただければと。

2月

リリアン・クー(フリーゲーム)

長編RPG『ワールドピース&ピース』(関連記事)の作者であるT-FTAさんによる短~中編RPG。拠点を中心に各地を自由に探索していくフリーシナリオ的な作品で、アイテム入手で行動範囲が広がっていくのも楽しい感じです。

戦闘システムは1vs1ライク(こちらは二人ですが1ターンに行動できるのはどちらか一人)。装甲値的な位置付けである「DEF」の値を削りきることでHPにダメージが通るようになるというシステムがユニークで、「敵のステータスや次の行動はオープン」「ダメージ計算式がシンプルで桁数が少なく、判定にランダム要素がない」というルールにより、非常にテクニカルなバトルが堪能できます。敵の行動も練られていて、一戦一戦が楽しい。「HPまでダメージが通ったらその分敵のHPが回復されてしまう」といった特殊攻撃などもあり、HPを回復するかDEFを上げるかという判断が大事な場面もあったり。

キャラクターやストーリーは、圧倒的なボリュームで重厚なダーク・ファンタジーが展開した『ワールドピース&ピース』に比べると基本的にライトなノリですが、ゲームを進めるとある人物の重い過去も垣間見えたりと、しっかりとしたバックグラウンドもあり、やはりT-FTAさんの作品だなあと感じます。T-FTAさんのテキスト、台詞回しなどがウィットに富んでいるのですが、言葉使い自体は平易でありつつお洒落なテキスト、という感じが好きなんですよね……。独特のリズム感もありとても読みやすいと思います。

冒険のワクワク感に、胸が熱くなる展開もあり、ゲームとしての完成度も高い良作でした。表情差分も豊富な顔グラフィックもめっちゃ可愛いくて素敵。

AshSnow Eve(フリーゲーム)

シナリオ進行に応じて戦闘が発生する、ADV+RPGという感じの作品。ノンフィールドによる稼ぎ用ダンジョンもあります。個人的には、稼ぎ用のダンジョンには新しいのが出現した時に一度だけ入るという進行でギリギリの熱戦を楽しめるという絶妙なバランスに感じました。

戦闘は2人パーティの2vs1。「閃き」によりどんどん新しいスキルを覚えられるのですが、一度にセットできるのは4つまでで、戦術に応じたセッティングが面白い。敵味方のステータスは画面上に明示されており、HP以外はほぼ一桁とミニマルな作り。シンプルな中にしっかりとした駆け引きのある、戦闘がとても面白いゲームでした。戦闘演出もスピーディかつ派手でいい感じ。双子の姉であるスノウの必殺技でリボンを解いて武器になる演出がめっちゃ格好いい&ちょっと色っぽいんですよね……。

エクスシアの翼 -亡国の凶星-(フリーゲーム)

『AshSnow Eve』の作者さんによる、同じシステムを使った作品。こちらの方が後に出た作品ということで、『AshSnow Eve』の紹介に加える形で紹介しましたが、キャラクター、ストーリーの面でどハマりしたのはこっちだったりします。いやもちろん『AshSnow Eve』も好きですけど!

「死神」の異名を持つ強面の傭兵ソイルと、とある事情で出奔してきた聖女コロナという二人が中心となるお話。この二人の関係性が、旅を通して変わっていく様が良いのです。ぶっきらぼうなソイルと、聖女ながら口の悪いコロナ。最初は相性最悪~って感じなんですがさまざまな出来事を経て……という。何かとツンツンしてるんだけど虚勢を張っているのが丸わかりなコロナさんがもう可愛いすぎるんです……。会話の掛け合いもテンポが良くて楽しいです。

そんなコロナさんが苛酷な真実に直面し、しかして至る境地がまたアツいんです……。ネタバレ度が高いのでリンクにしておきますが感動のあまりしばらくプレイの手を止めてしまったシーンがこちら。

またソイルと、彼と因縁を持つ者との戦いもアツい。その決戦とも言えるバトルへの入り方とかも最高にテンションが上がるものでした。バトルデザインの面でも、行動阻害・カウンター系のスキルや生存力を高めるアビリティ(パッシブスキル)を備えるソイルが一人で戦う場面が結構あり、『AshSnow Eve』とはまた違った戦術を楽しむことができました。

桜鬼-桜花ノ刻-(フリーゲーム)

切ないお話という評判は聞いていましたが思っていた以上に重く、個人的に好きな題材もありぐっと来ました……。キャラクターのイラストがとても綺麗で可愛らしく、サイドビュー戦闘のドット絵アニメーションも素敵。夜翠さん、立ち絵も素敵ですがドットキャラがめっちゃ可愛いのですよ~。戦闘勝利時の仕草が特に。静止画で見ても伝わりきらないと思うのでキャプチャ掲載は控えますが……。

戦闘面は任意で購入するスキルの中にかなり有用なものがあったり、状態異常がボス戦で戦術の要になり得たり、装備品にそれぞれ特徴があって値段の高いものが単純に上位互換とは限らず選ぶ楽しみがあったりと、短編の中にRPGとしての面白さがしっかりと詰まっていました。

3月

帝国水晶譚序章・仲間を求めて(フリーゲーム)

逃走した7人の「バイオロイド(戦闘用の人造人間みたいな存在)」を連れ戻すため主人公のバイオロイドが倒しに行く……という作品。倒しに行く順番は自由で、各バイオロイドはそれぞれ非常にユニークな能力を持っていて、倒すと仲間にすることができ、それでまた別のボスを倒しに行くというサイクルで進行します。

各バイオロイドの大まかな能力は事前に聞くことができ、「このボスを倒すには先にこのボスを仲間にするといいかも」などと考えながら進めていくのが面白い。戦闘バランスも絶妙で、ザコ戦を全スルーで進めたらとくに終盤以降、ギリギリの戦いを楽しめました。

それぞれのバイオロイドの能力も本当にユニーク。敵として戦うときも、味方として使うときも面白かったです。(以下、やや攻略ネタバレですが……)とくにテクニカルなのが「相手の攻撃力を参照してダメージ計算する攻撃スキル」を持つヘヒト。相手の攻撃力を上げつつ確立で暗闇(命中率低下)にするスキルとかあるんですよ……。リスクとリターンの駆け引きが楽しい。あとはミニオン(お供)を召喚し、それを使って色んなことができる(効果は召喚した数に応じて変わる)エウロパも使いこなすのが面白い。こういう特殊な効果の「スタック」的な概念って最近結構見かけますね。

「序章」とありますがこの世界観における第1作といった位置付けのようで、短編としてしっかり完結した作品です。キャラクターも魅力的なので、今後の展開にも期待したいです。

終電を逃した者達 – FINAL TRAIN Ⅶ –(フリーゲーム)

ノンフィールド+装備品はガチャで入手という形で、戦闘を繰り返しながら入手したアイテムでキャラを強化していくハック&スラッシュ的な楽しみがコンパクトに凝縮されたような作品。ユニークな装備品がいっぱいあって、キャラカスタマイズも楽しいです。ステータス極振りは正義……。

戦闘はさまざまなギミックがあって楽しい。対処を工夫しないと一発で沈むような攻撃を、うまいこと逆に利用したりとか。スキルもキャラクターごとに個性的なものが揃っています。ターン制のコマンド選択型ですが即時発動型(使用するとその場で効果が発生し、続けて別の行動を選択できる)のバフがいくつかあり、この使いこなしなども戦術を組む上での醍醐味です。

ShrineStory オヤシロ物語(有償同人ゲーム)

「波動」と呼ばれるパワーを溜める「チャージ」、溜めた波動を解放する「波動解放」、波動解法を妨害する「呪い」という3つのコマンドを使った駆け引きを行う1vs1バトルが楽しい作品。基本的にこの3つの行動の応酬でありながら(ただしプレイヤー側には必殺技もあり)、敵ごとにユニークな行動ロジックが組まれており、これを解き明かして対策を立てていくのが醍醐味です。チャージによって波動の値がどんどんインフレしていくのも面白かったり。

独特の不可思議な世界観も魅力。主人公のアキラさんとお供のマヌの肩の力が抜けるような掛け合いや、困難に立ち向かうような展開がありつつもポジティブな物語が好きです。チップチューンのBGMもいい感じ。

ファントムルーラー(フリーゲーム)

世間知らずの王女様がとある事情で城を離れて、さまざまな出逢いや事件を経て成長していく……という、一見王道ファンタジー的な作品。ですが中盤あたりからの急展開が凄まじい。「人の心の闇」が世界観とも密接に結び付いたテーマとなっており、凄惨な場面もあり。とてもドラマティックな作品でした。絶望を超えて強くなっていくアーネがもう格好良くてね……。

サイドビューのCTB戦闘も凝っていて、使用後に続けて別の行動ができる「戦術」コマンドの活用が面白く、またドットアニメーションによる演出もいい感じでした。一時的な自己強化を行う「バースト」発動時の、アーネの背に光の羽が生える時のアニメがぐっと来ます。ピンチの時に発動できる奥義などもアツい。

SAKURA UNDERGROUND(フリーゲーム)

通常のスキルを使うリソース(SP)とは別に、攻撃で溜まる「AP」を消費する即時発動型のスキルを活用するのが面白い。9個も枠が用意されている装備枠にステータス強化や特殊効果などの「オプション」を装備するキャラクターカスタマイズも楽しかったです。

4月

アストロメイデン/アポストロ(有償同人ゲーム)

プレイヤーキャラは女の子だけ、王道ファンタジーっぽい世界観……と入り口はソフトですが、実は存外にハードなダークファンタジーでした。こういうの大好きなので嬉しい誤算。(流石にそろそろ若干のネタバレはいいかなということで書いちゃいますが)いわゆるコズミックホラー的な側面も……? 二部作の全編ということで、後編も楽しみです。

キャラクターは皆、本当に魅力的なのですが個人的にはその中でも涼子さんがとくに好きです。格好いい&可愛い!

戦闘曲も格好いいのばかりで、戦闘をアツく盛り上げてくれました。本作は主人公達の違う4編オムニバスですが、各編ごとに戦闘曲が違うのも嬉しい。以下、記事掲載にあたり録った動画ですが、使うシーンの選定基準として「僕がとくに好きな曲がかかるバトル」というのもあったりします。後半は他の3編クリア後に解放される前編最終シナリオといった感じのシナリオの戦闘曲なのですが、「RPGの後半で通常戦闘曲がよりシリアスなものに変わった時の曲」っぽさがあるなぁと思ったり……。

Artificial Providence 1(フリーゲーム)

詳細な感想などは上記の感想記事に書きましたのでご興味があれば。本当に、自分にとって理想のRPGでした……。

ちなみにこの作品の紹介記事が、窓の杜で十数年、編集と一部執筆を担当したゲーム連載記事「週末ゲーム」の最終回となりました。『Artificial Providence 1』は以前に触りをプレイして、いずれ本格的にプレイして週末ゲームで紹介させていただこうと思っていたのですが、そうこうしているうちに連載終了が決まり、最後はこれで締めよう、とプレイ順を繰り上げたという事情があったりします。間に合ってよかった……。

とつげき少女の恋戦記!(フリーゲーム)

ギミック系戦闘のびっくり箱とでも言えるような、トリッキーなボス戦の数々がとても楽しい作品。6つのアクセサリ装備枠や成長をある程度制御できる仕様によるキャラクターカスタマイズも面白かったです。シナリオはほのぼのラブコメかと思いきや、なかなかハードな面も……。

5月

薬草伝説 LEGEND OF HERB(フリーゲーム)

裏山へ薬草を取りに行くというRPG序盤イベントのお約束をテーマにしたフリーゲームを募集する企画「裏山薬草ゲームフェス」の参加作品。久々に自分の書いた記事を読み返したら「ニーチェはそんなこと言ってません」て素で突っ込んでてちょっと笑いました。

世界観はトンデモなのですがその上で展開されるドラマは大真面目で、何だかんだでアツくなれちゃうのが悔しい(笑)。戦闘のバランスも絶妙で、進行に必須の敵や宝箱を守っているような敵とだけ戦っていたら、バフ・デバフを活用すればほどほどに安定しつつ、たまに1、2人落とされるという感じ。隠し通路なども豊富で探索型RPGとしても作り込まれており、色んな意味で密度のめっちゃ濃い作品でした。

麗捨山(フリーゲーム)

こちらも「裏山薬草ゲームフェス」作品。こちらはひたすらスタイリッシュを追求したような作品でした。ストーリーがめっちゃ渋い。装備品による能力・スキルのカスタマイズや、1ターン2回行動による戦術を駆使して戦うのが面白かったです。

戦闘は道中を塞ぐイベント戦闘のみでしたので、じゃあ(じゃあって何だ)アイテム使用を縛ってみようかなとやってみたら絶妙な難易度になりました。

風花のあわいに眠る(フリーゲーム)

人と妖の夫婦が裏山を登っていく和風ノンフィールドRPG。任意で色々な雑談が読めるのですが……これが本当に微笑ましいのです。天真爛漫な若奥様、呉羽さんのお転婆っぷりも可愛らしくて……。しかして、その道筋の行き先は儚く切なく。短い作品ですが心に刺さるものがありました。

戦闘は妖術反射のバフやスリップダメージのデバフ、HP消費型の技など最小限の数の技で戦略性が醸し出されていて楽しかったです。ザコ戦全スルーで進めたらラスボス戦がめちゃめちゃ激戦になりましたが、30回くらい試行してやってのけました。達成感……!

ファイナルファンタジー15(コンシューマゲーム)

本編についての感想というか、語りたいことはおおむね上記の記事に書いたのでご興味があれば。仲間との雑談とかにより「一緒に旅してる感」を堪能できるのがよいのですが、不完全な反応によりかえって「作られた反応」感が際立ってしまうので、今後の発展に期待……という話を、実例も交えてつらつら書きました。

ちょうど最近、こんな記事を読んだのですが、

結局のところ、ステートベースAI(ものすごくざっくり言うと、状況に応じた反応を返す)の域を出てないんですよね(最近は何でもAIって言っちゃいますけど、以前はこの程度のものをAIと呼ぶのは無しかな……って風潮じゃなかったでしたっけ?気のせいかなあ)。だからガーディナで午前3時、もう空が明けかけてるのに(恐らく)時間帯をトリガーに「夜景が綺麗だな」みたいなズレたことを言われてしまう。

そうじゃなくて各キャラクターの視界に映るものをシミュレートして、それぞれの嗜好と照らし合わせて、例えば「明け方の空って綺麗だよな」とか言ってほしいんです。もちろんそのためには常時膨大な情報処理が必要になるのですが、次々世代機くらいで実現すると嬉しいなぁ……。

ついでに、パーティメンバー3人のエピソードDLCが出揃ったので、この機会に簡単に感想など書いておきます。

  • エピソード グラディオラス:純粋なサブエピソード。サイドストーリーとして面白かったし、豪快なアクションが楽しかった。本編での離脱と再合流はやや唐突に感じましたが、これをプレイすることで……あいや、居ない間、何をしていたかはわかりましたが離脱と再合流が唐突なのは別に変わらんな……。そこはやっぱり本編の方を調整しないことには何ともならんかも。
  • エピソード プロンプト:何でそれ本編でやらないかなぁ!?という重要設定満載。それとも後付けなんだろうか……。世界観への理解が深まるサブテキストとしても良し、プロンプトって結局どういう出自なの?という疑問も氷解。アラネア姐さんもかっちょよかった。
  • エピソード イグニス:個人的にはなかなかに複雑な思い。例の別ルートはあくまでifという位置付けかとは思いますが、本編の展開はどうやっても回避できない運命だったからこそ重いし尊いと思っているので、あの選択肢1つで回避できる(しかもイグニスなら冷静に判断してそちらを選ぶのも割とありそうと思える行動がifルートに繋がっている)のがもやもやするんですよね。「“あの選択肢1つで運命を変えることができた”ということ自体がif」と解釈して心を鎮めていますが……。

今後もエピソードDLCの配信などが続くようですが、それらの内容から必要なものを本編に組み込んだり(プロンプト……)前後の繋がりを自然にしたり(グラディオラス……)して、AIも2~3世代アップグレードして、オープンワールドと物語要素ももう少し噛み合うようにして(取り返しの付かないことからの再起みたいのがアツい物語なのにサブクエストやるためカジュアルに時間遡行できちゃうのはちょっと……)……という感じで10~20年後くらいにフルリメイクしてくれないかなぁと、気が早いですが今から期待しています。まあしかしこの規模の作品ってリメイクできるものなんだろうか……。

6月

アスクギアFC(有償同人ゲーム)

上記記事に感想を書きまくったのでご興味があればご覧くださいませ。こちらは前編で、後編を含む完成版は11月のデジゲー博2017でリリースされました(ちなみに完成版はワイド画面です)。ボリュームが凄そうなので機を見てプレイするつもりですが、7月にはダウンロード版が出そうなのでそのあたりまでにはクリアすることを目標にしています。

魔剣少女の物語(フリーゲーム)

ふりーむ!でこのゲームを見かけたとき、最初に目を引かれたのはレーダーチャートの画像です。凝ったシステムのRPGを好む者としてはレーダーチャートとかテンション上がっちゃうんですよ……。

というわけで、期待しつつプレイしましたがめちゃめちゃ楽しかったです。戦闘スタイルを変更することでステータスが変動するほか特殊能力や特技が変化。スキル使用で消費する「気力」が減ると被ダメージが上がる要素があったりと戦闘難易度はやや高めですが、1戦闘に3回だけ使える技や、瀕死状態でのみ発動可能な技とかもあったりで、激しいバトルを堪能できました。連撃技が結構あってエフェクトも派手と、爽快感も抜群です。

形見の剣が鍵となる物語もぐっと来るものでした。キャラクターは等身大の少年少女達って感じで、生き生きとした掛け合いが楽しい。主人公のラーマも好きですが個人的な一推しはクレアさんですね。貴人としての礼節もありつつ、兄(王様)に対してはツン気味の対応、歳が近い友人ができたので名前で呼んでもらいたがるなど大変いじらしゅうございます……。

短編としてしっかりと完結している作品ですが、続編も制作中のようですので楽しみにしています。

雛鳥フェアリーテイル(フリーゲーム)

ノンフィールドRPGであることが演出上も意味がある作品。「あれ」に気付いた時はゾクゾクしましたね……。「わたしがわたしであるために」。

戦闘はターン制のコマンド選択型で、習得している魔法から6つまでを任意にセットして使用可能。TPを消費して即時発動するけど再使用にクールタイムがある「即応魔法」による戦術がアツい。敵を倒して入手できるManaで装備の生成して能力をカスタマイズする要素もポイントで、装備のManaへの還元もノーコストで行えるので試行錯誤が楽しいのです。

Manaでは消費アイテムも作れますが自分は一切作らず、また初期所持アイテムもManaに還元。稼ぎ戦闘はなしでクリアしました。ラスボス戦がめちゃめちゃアツかった……!

7月

Ark Noir / 箱舟のノワール(有償同人ゲーム)

ローグライク的なノンフィールドRPGが好きな者として、めちゃめちゃハマりました。入手できるアイテムでプレイが全然別のものになるし、そのランダムの幅が広いので、何十周しても飽きないのです。それでいて戦闘はランダム要素がほぼなく敵の行動を確認することも可能なので、繰り返しプレイしているうちにパターン作ったりしてサクサク進めるようになります。1周数十分ですが、結局一気に30時間くらいプレイしたんじゃないかな……。

木陰のアンチクリスト(フリーゲーム)

1周クリアしたのは上記の記事を書いた3月頃なのですが、その後しばらく間を置いてから、チャレンジ要素である実績を全達成するため周回プレイして完遂したのが7月なのでこちらで。

ボス戦がとても面白いゲームでした。シンプルなターン制コマンド型をベースに、最大10~15程度と少ないMPのやり繰りや、さまざまな状態異常の活用などが楽しい。ボスのギミックも練られてました。1周目はザコ戦を縛りましたが、中盤のボスやラスボスで大苦戦しつつ活路を見出していくのがアツかった……!

お話もリリカルで素敵。チコリーかわいいよチコリー。謎解きも程よい難易度で楽しめました。とくに宝箱の謎解きはちょっとした発想の転換が必要なものが多く、解けたときは気持ちの良い達成感がありました。

ダンジョン・チューバー!!!(フリーゲーム)

ダンジョン攻略の実況をネット配信する「ダンジョン・チューブ」の配信者、通称「Dチューバー」のスターを目指す!という設定が特徴の作品で、実際自分もそこがフックになってプレイを始めまして、勿論そこも面白いポイントなのですが……個人的に気に入ったのは結構アツい展開がある点だったりします。キャラも個性的で好感の持てる人達ばかり。主人公のナユタが結構お調子者なんだけど、ここぞという時は格好いいのが好きです。敵を避けながらどんどん装備を入手していったりと、ランダムダンジョン系のハック&スラッシュとしても面白い。

開発中の作品で順次シナリオ追加などアップデートされていますが、ブラウザゲームとしての公開だと再ダウンロードの必要もないし、連載のように追っかけるのもありかなという気になりますね。とはいえ結構なボリュームになってきたのでダウンロード版欲しいなぁと思っていたら、どうやら出る予定はあるっぽい。ただ、そうなるとまた最初からプレイになっちゃうのかな……と思っていたら、セーブデータをテキストでインポート・エクスポート可能になっていました。これでダウンロード版が出ても安心かな、ありがたい……。(実はダウンロード版が来たら最初からプレイするつもりで最近のバージョンをプレイしてなかったのですが、これならプレイしても大丈夫そうですね。)

たそがれのひ(フリーゲーム)

メインとなるマップはミニチュア感のある3Dで、箱庭のような世界を探索していく楽しみがある作品。本編は隠しアイテムを見つけたりといった探索の楽しさがメインな印象。一方、おまけダンジョンはバトル中心でどちらも楽しかったです。

以前、体験版をプレイしたRPG『箱庭セレナータ』の作者さんの作品で、世界観に繋がりとかありそうかなと思っていたら……(以下ネタバレにつき自粛。って書いてる時点であれですが……)。『箱庭セレナータ』も今年に入って本編の一部を遊べる中途版がリリースされており、こちらの完成も楽しみです。(自分は初見の印象を大事にしたいため、次は完成してからプレイする予定です。)

8月

アンダーグラウンドヒーロー(フリーゲーム)

独自システムの戦闘がめちゃめちゃ面白かったのでハマった作品。もぐらゲームスで紹介記事を書いて、年末のお勧めを挙げる記事でも取り上げさせていただきました。若干、とっつきにくいシステムであることは否めませんが、そういうのをどんどん把握して、システムを使いこなして戦うのが本当に本当に好きなんですよ……。ヘルプの能力値のところとか読みふけりましたね。

ユニークなアクティブ・パッシブスキルから任意のものを習得して使いこなすのも楽しく、装備品の効果がすべて基本値からの%変動という仕組みもなるほどなぁという感じでした(ありそうで意外と見かけないかも?)。

でもってストーリー。要所要所にイベントが挟まる感じでボリューム自体は決して多くはないのですが、印象的(思わせぶりとも言う)な回想シーン、からのラスボス戦がもうね……!物語とシステムメッセージが交わる一瞬の演出に魂が揺さぶられました。記事でもしつこいくらいアピールしておりますが、特にフリゲのRPGを好んでプレイする人の中にはこういうの好きな人結構居ると思うので、ぜひラスボス戦まで辿り着いてほしいです……!

S-Witch♭(フリーゲーム)

独自システムの戦闘がめっちゃ面白い。行動ごとに設定された発動までの時間がカウントダウンされ、行動待機中に防御力が上がるような行動もあり、敵の攻撃とタイミングを合わせれば完封も可能……といったあたりは、かの名作「ふしぎの城のヘレン」を思い起こさせたりもしました。

前衛・後衛のタッグバトルで交代や連携技といった要素も。敵を任意にターゲティングできるのは後衛だけ(前衛は敵の攻撃へ対処するのを優先するため、次に攻撃してくる敵を自動ターゲティング)というのも成る程という感じです。

10月

星の王女さま(フリーゲーム)

システム、物語、ビジュアルいずれも質・量ともに充実しており、長編RPGとしてスタンダードな良さを感じる作品でした。キャラクターカスタマイズも楽しく、その辺の話などは上記ブログ記事に書きましたのでご興味場あれば。

2016年末に公開された進捗動画を観てからこの作品への期待が高まっていたのですが、とくに動画のラストにある海のシーン(上に掲載した画像の3枚目がそのシーンのものです)が好きで……。本編でここに到達した時は感慨深かったですね。音楽も含め心に染みるシーンでして、今でもスクリーンショットを観るだけで曲が脳内再生されます。

戦闘が色々システム詰まってて、かつ演出のテンポも良くて楽しく、戦闘曲もまた格好良いいのでその辺を見せたくて動画も録りました。

夢幻の塔(フリーゲーム)

ノンフィールド・ダンジョンハクスラといった趣の作品。職業や容姿を選んでキャラメイクし、豊富なアクティブ・パッシブスキルを選んで自由に成長させていき、ランダムな付与効果もある装備をどんどん手に入れて……と、キャラクターカスタマイズがめっちゃ楽しい。転職もあり。

中盤からスキルが揃ってくるとザコは全体攻撃でサクサク一掃可能、一方でボス戦などは色々とギミックに凝ったバトルもあって、3回くらい「なるほど、やりますなぁ」などと思いつつ楽しく全滅しました。多くのスキルにクールタイムが設定されていることもあり、さまざまなスキルを使いこなすのが楽しかったです。

操作はマウスのみで、全体的なユーザビリティも結構よく(スキル習得など、マルチウィンドウでの操作が最初はやや戸惑いましたが)延々と遊べちゃう感じです。バフ・デバフも色々な種類があるのですが、戦闘ログの当該する部分をマウスオーバーすると効果がポップアップするなど丁寧な作りで、一気に覚えなくても戦いながら把握していけるのが良い作りでした。

自分のパーティ編成は、ウォリアー、スナイパー、ニンジャ、プリースト、ソーサラーという割と直接火力で攻めまくりな感じになりました。戦闘開始時にクリティカル率とクリティカルの威力を高めるバフを自動でかけられるパッシブ、からの連続攻撃スキルとか浪漫があって楽しかったなぁ……。

理なき絶園で二人は(フリーゲーム)

最低戦闘回数は5~7回、稼ぎ戦闘ができる場所もありますが基本はボスラッシュ的なノリの作品。アクティブ・パッシブスキルを4つまで装備できる枠と、武器によっても変化するスキルによる戦術が楽しい作品でした。稼ぎ戦闘をしないと難易度もなかなか絶妙。

11月

Acassia∞Reload(フリーゲーム)

セーブなしでゲームオーバーを繰り返しながら徐々に行動範囲を広げていくというゲームデザインと、世界観が絡み合い、ラストの展開へと収束していく……もうね、こういうの大好きです。ややネタバレになりますが、プレイヤーがどういう存在か定義付けられてるみたいなややメタい演出も良いですな。「ありがとう」で心が震えました。

キャラもめっちゃ良い。アカシアのビジュアルが完全にどストライクですし、その存在の有り様、また「もう一人の少女」との関係性……なにもかもが素敵。終末百合、いいよね……。これもややネタバレですがEDについて、初志貫徹という意味でトゥルーエンドの納得感はもちろん高いのですが、ノーマルエンドも役割からの解放という感じで好きなんですよね。存在理由とかまた見つければええねん……。お互いが目的を果たさなければ永遠でいられる関係、しかもそれはいつでも壊すことができるってこう、なんか、いいよね……。

ゲームプレイの面では試行錯誤がとても楽しかったのですが、「初周、最初の分岐で今行っても勝てない方へ行ってしまう」「次の周、シンボルは見えないけどエンカウント位置が固定であることに気付かず同じ方へ行ってしまう」といきなり2周無駄にしたのは悔しかったです(笑)。おかげでエンカウントの仕様を把握しましたが……。ここで2周使いつつ、ED到達(選択肢でノーマルになったけどトゥルーも条件は達していた)まで9周くらいで行けたのは結構うまくやれたんじゃないかな?毎回かなりギリギリまで粘りました。

ふつうファンタジー(フリーゲーム)

『アイマス』(感想記事)の作者さんの過去作。8人のキャラから3人パーティを組んで自由な順番でボスに挑む短編RPG。経験値が共有で任意のキャラに割り振り可能、一定レベルでスキル習得(どのレベルでどういうスキルを習得するかは事前にわかる)……と、どのキャラに経験値を割り振り、どういう編成にするかという戦略を考えるのがめっちゃ楽しかったです。戦闘メンバーを増やせる召喚を駆使した戦術もアツい。

難易度Hardをザコ戦全スルー、回復アイテム未使用という縛りでクリアしましたが、別の縛りでクリアしたら、(作者さんの他の作品と一緒に)単独で記事にしようと思っています。ので、詳しい話はまたいずれそちらで……。

12月

Recovery Pain(フリーゲーム)

剣士と魔法使いによるタッグバトルが楽しい作品。かなり初期の開発版から応援していたので、いよいよ完成ということで感慨深かったりもします……。

戦闘は二人で行動回数を共有していて、バフからの攻撃など行動回数をどう割り振るか考えるのが楽しい。育成の自由度も高く、自分はこういうシステムだと「行動回数は正義!」派なのでそこを最優先、また色々な特技で戦うのが面白いので特技の威力に影響するステータスや最大MPの強化などを重視して成長させたりしました。

戦闘のアニメーションなども格好いいのですが、それでいてウェイトが極力省かれており、操作のレスンポンスもよく、アクションゲームのようなハイスピード爽快バトルになっているのも素敵でした。フィールドでもダッシュからのジャンプとかもできたりして走り回るのが気持ちよかったり。

キャラクターも魅力的。おっさんと少女のコンビみたいの好きなんですよね……。ヒロインのポプリがめっちゃいじらしくて可愛らしくて良い。街の人とかも含め結構ギャグっぽい会話も豊富で楽しめました。状況に応じた雑談を行ういわるるスキットもあり。それでいてメインストーリーはなかなかにアツい展開で、ラストは切なくも主人公のリベルテさんが格好良かった。こういうラスト好きなんですよね……。

ヘイトフル・ナイン(フリーゲーム)

HPの他に血液量を表すBPという値があり、スキル使用や歩くだけでも減っていき、HPとBPのどちらが尽きてもゲームオーバー……というリソース管理型の作品。戦闘はパズルチックな戦術性があり、「これを入手しておけばこの敵を倒せる」みたいのも結構あったり。

倒すべき敵の位置などが最初からすべてが見えているマップをどう進んでいくか、スキルやアイテムをどこでどう使うか……といった試行錯誤がとても楽しい作品でした。殺伐とした世界観、寂寥感ありつつ熱い想いが交錯したりもするストーリーなども良い感じ。

振り返ってみて

なんかもうちょっと軽いリンク+一言くらいの記事にするつもりが凄いことになってしまった!本数も何となく思ってたよりかなりプレイしてたな~。

クリアまでプレイしている時点でどれも全部面白かったのですが、せっかくなので色々と部門別に特に良かったものとか挙げていこうと思います。

独自の戦闘システムが凝ってて面白かった作品

単に「戦闘が面白かったもの」だとほぼ全部になってしまうのでシステムの独自性重視で……。

  • アンダーグラウンドヒーロー
  • Artificial Providence 1
  • リリアン・クー
  • 巡るダンジョン道中記

(アスクギアは完成版を改めて評価するのでここでは検討候補に入れませんでした。)

激アツ展開がアツかった作品

  • Artificial Providence 1
  • ファントムルーラー
  • エクスシアの翼 -亡国の凶星-
  • アンダーグラウンドヒーロー
  • 雛鳥フェアリーテイル

(アスクギアは完成版を改めて評価するのでここでは検討候補に入れませんでした。)

切ない展開などでリリカルな良さみを感じた作品

  • Acassia∞Reload
  • 星の王女さま
  • リリアン・クー
  • 木陰のアンチクリスト

(アスクギアは完成版を改めて評価するのでここでは検討候補に入れませんでした。)

(性能、シナリオのいずれかあるいは両面で)個性的なキャラが多く賑やかな楽しさを感じた作品

  • 帝国水晶譚序章・仲間を求めて
  • アストロメイデン/アポストロ
  • Recovery Pain
  • 魔剣少女の物語

(アスクギアは完成版を改めて評価するのでここでは検討候補に入れませんでした。)

高プレイアビリティとランダム性の高い展開により無心でやり込んじゃった作品

  • Ark Noir / 箱舟のノワール
  • 夢幻の塔

部門を増やせば無限に語れてしまいそうなのでひとまずここまで!

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