界の軌跡、クリアしました。いやぁ……ついにここまで来たか。20年くらい追い続けていたシリーズの、世界の真相らしきものがついに明かされ。システム面にも集大成と言えるような内容でした。シリーズをここまで追い続けて、本当に、本当に良かったです。シリーズ完結が現実的なものとして見えてきたのも感慨深く。いやほんと、終わるんだなぁ、軌跡シリーズ……。
というわけで色々と感想をメモしていこうかと思います。一応ネタバレは最後の方に隔離してあります。そもそもクリアした人(主に将来、本作を振り返りたくなった自分)以外を想定した記事ではありませんが……。
バトルは新システムの追加だけでなく細かい調整も意図を感じるもので、「共和国編システムの完成形」に
コマンドバトルについて
まずはコマンドバトルの話ですが、能動的に使用する新システムとしてZOCとシャードコマンドが追加。「新しい舞台になってシステムがいったんリセットされすっきりする」→「続編でシステムが増築され結局ゴテゴテしてくる」という傾向が、閃の軌跡に続き黎・界の軌跡でもやはり見えてきた感はあります。とくにシャードコマンド、L3ボタン(Lスティック押し込み)から発動ってもう、操作に使うボタンも足りなくなってきてますよね……。コマンドバトルでなかなか使わんぞ、L3。
ただある程度遊び込むと、とにかく新要素増やさねばと無闇矢鱈と増やしたものではない、とも感じられました。ポイントは、どちらもブーストゲージを使う所でしょう。
黎の軌跡ではブーストの概念と「Sクラフトはブースト中のみ発動可能」という制限、そして黎の軌跡Ⅱでは「1回のブーストでSクラフトは1回のみ」という制限が加わったことで、従来の作品のような「Sクラフト連打ぶっぱ」が抑制されるようになったわけですが、そうは言ってもブーストゲージの最大の使い道が「Sクラフトを撃つこと」であることには変わらなかったと思います。
界の軌跡ではそこに大きなメスが入った印象です。抑制するばかりではなく「同じリソースを使う別の強い行動を用意する」というのは良い調整ですね。ZOCで実質的にアーツが即時発動できることで、強力なアーツが使いやすくなっているのも良い。コストに見合う行動かの見極めは必要ですが、どうせ手遅れになるので使わない、みたいな状況を避けられるのは大きいかなと思います。
あとフルブーストでZOCを使う=ブーストが1ターン延長する、なのでSクラフト連打抑制の面でも地味に効果があるのも良い誘導だなーと思ったりも。
とくに敵がヤバめのシャードコマンドを使ってくるような戦闘では、取り返すためにブーストゲージに余裕を持たせて……などと考えるといい感じにリソース管理が発生するのが面白かったです。
……が、それだけに、そこまで高くないCPでブーストゲージを増やせる技がちょいちょいあったのはどうなんだろうな~とは思いましたが。まー軌跡の戦闘はね、そこまでガチガチに戦術性を堪能するというよりはキャラが格好良く戦う様を楽しむものだとは思うのであんまりカツカツすぎるのもあれかなとは思いますが。それにしたってお手軽2本回復は緩すぎるかなぁと……。他の効果も有用だし、1本回復でも十分だったのではとは思いました。
ATボーナスの奪い方も変わりましたね。これまではスタン、戦闘不能時に奪えるということで、とくにボス戦などでは奪える機会が限られすぎているのが気になっていました。界の軌跡ではブースト時に攻撃するだけで奪えるように。ただ今度は逆に簡単に奪えすぎるようになっちゃったかなぁとは思いますが。まあ軌跡の戦闘はガチガチに戦術性(以下同)とはいえ、ただのブーストで奪えるのはやりすぎかな?フルブースト時だけにすれば、ゲージ2本使ってまで奪うかの択が発生する(たとえばボスのHP回復や、攻撃が痛い敵のクリティカルなら奪うとか)のでより良かったのではないかなぁとは思いました。あとこんだけ簡単にATボーナスが奪えてしまうことで、ジュディスのヴァリアントスナッチの特別性がなくなってしまうのはどうなんだろう。まあジュディスがお株を奪われるのはフレーバー的には面白いからいっか……。
新システムといえばあとはB.L.T.Z.ですね。能動的に起こせるようなものではなく、どちらかといえば「控えメンバーや非プレイアブルキャラが戦闘に参加できる」という演出面のメリットを重視した要素な気はしますが、B.L.T.Z.チェインによって通常攻撃の価値が上がったのは良いと思います。通常攻撃によるCP回復量も黎の軌跡Ⅱの10から15へと地味に増えたのもよいですね。基本的に「CPが足りないときに取る消極的な行動」であることが覆るほどではないかなーとは思いますが。B.L.T.Z.チェイン回数によるアチーブメントもあるため、積極的に狙うことはなくても選んで損した気分になるほどではない、くらいには落ち着いたかなーと思います。
フィールドバトルについて
一方、フィールドバトルの方は、ちょっとシステム盛りすぎかなーという印象でした。基本はコマンドバトルゲーとしてやるつもりの人間としては、黎の軌跡Ⅱでのクイックアーツ追加の時点で結構いっぱいいっぱいだったので……。自分、プロローグの探索、戦闘を終えて懇親会に入ったあたりで1カ月くらい中断してたのですが、再開したあとフィールドバトルのZOCの存在を完全に忘れてて、会話で言及されたことで存在を思い出したくらいでした。(あるのに使ってないのがロールプレイとして不自然だったので、ちょっと進行巻き戻しました……)雑魚戦はできる限りスルーしちゃうので「コマンドバトルしなくても敵を倒せる」という点をあまりメリットと感じないという事情もあります。
ただクリア後、電撃オンラインの近藤社長インタビュー(前編)を読んだら「フィールドバトルでも強敵と戦えるようにするためのシステムとして、“ZOC”や“覚醒”を採用」「『ヴァンをグレンデルのままアクションで使いたい』という、ゲーマー的なストレートな意見が社内であった」とあり、そっかアクション面強化という需要もあったのか、と得心しました。実際、黑の庭城でフィールドバトルで敵を倒すミッションがあるときなんかに、ZOCや覚醒を使ってバリバリ敵を倒していくのは結構爽快感ありましたね。
装備品について
比較的存在感の薄かったサブパーツが、クエストやアチーブメントの報酬として色々と配られるようになったのはよい調整だなと思いました。全員分わざわざ買い揃えてアップデートしていく気にはならないけど、報酬でいいものが手に入って、それを誰に渡すか考えていったりするのはちょっと面白かったかなと……。
あんまり楽しい話題じゃないけど流石に「方面」については一言いっておくか
軌跡シリーズのテキスト、一部の言い回しがネットの一部でやたらとあげつらわれている印象があります。個人的には、格好いい台詞とかお洒落な掛け合いとかもいっぱいあるのに、そこを差し置いて枝葉末節にやたらとかまけるのはどうなんだろう、と思っています。まあこういうのはえてして、とくに気にしていないサイレントマジョリティ(自分も基本これ)は何も言わず、大きい声が目立っているだけなんだろうとは思いますが。
よく見かけるいくつかの表現について、個人的にはいやそれはそういうもんでしょう、と思うこともありますので、この機会に言及すると……
文末の「◯◯というか」およびその類型
これ言われるまで全然気にしてなかったのですが、言われてみればで意識をすると(してしまうと)確かにそれなりに頻出する表現だとは思います。
ただ自分の推察するこうした文末表現の意図としては、語尾を曖昧にし、カッチリとした文語にしないことで「会話の生っぽさ」的なものを出しているのだと思います。リアルの会話って、実はそれほど理路整然としてないんですよね。語尾なんてもう適当にゴニャゴニャ……としてるうちに話が進んだりもして。とはいえテキストでゴニャゴニャとするわけにもいかないので、その代わりの「というか」だと思います。まあ、もう少しバリエーションを増やしましょうよと言われたらそうかもしれませんが。
個人的にTwitterでラフな文章書くときなんかも自然と使いがちなので、わかるわ……となっているのもあります。
「はは」「ふふ」などの軽い感嘆表現
これも会話の生っぽさ、テンポ感などのために入っているものだと思います。実際、ボイスが入っているシーンだととくに実感します。
もしかしたら、本来はト書きで入れるようなものを、律儀に台詞のテキストに入れてるから違和感を感じる人が居るのかもしれません。
(いや、でも流石にこれ、わざわざ説明しないといけないようなもんかな……?)
「見違えた」
これは単に、「過去作のキャラクターが成長して再登場するケースが多い」という軌跡シリーズの特性によるものだと思います。
そりゃあシリーズ作中で数年経ったりもしない、1~2作程度で完結するような作品なら頻出はしないでしょう。見違えないんだから。
「見極める」
正直これについては閃の軌跡で見かけることが多かった気がする表現で、最近はあまり見ない気はしますが一応……
これもシリーズの特性、展開に根差す面は大きいと思います。軌跡シリーズの勢力間の対立って、必ずしも相手側が問答無用で打ち倒さなければならない敵、とは限らないことが多いんですよね。それでもその手段が自分達の価値観において看過できないのであれば止めければならない、みたいなケースもままあるかなと。そこが好きな所でもあるのですが。なので見極め。まあ、もうちょっと言い回しにバリエーション持たせましょうよと言われたらそれはそう。格好いいからいいじゃん、と個人的には思いますけど。
……というわけで、これまでとくに軌跡のテキストでそこまで引っかかりを感じたことはなかった自分ですが。そんな自分でさえ、
いやでも「方面」濫用はあかんわ……
この手の頻出表現で初めて気になってしまいました。
いやー使いたくなるのはわかる、わかるよ。これって要するにいわゆる「オトナ語」なんですよね。たとえば「黒月方面」と言ったときに、黒月の直接的な構成員だけでなく、協力者とかも含めた言い方にできる。≪銀≫とか、なんならギリギリアーロンも入れられるかも。その辺の幅を広く取りたいときに便利なんですよねー。ビジネス用語としても使われがちな気がします。
しかしその便利さに取り憑かれてしまったのでしょうか、流石に気軽に?使われすぎで、そのうち1個1個について「これほんとに『方面』いるか?」という精査がされていないように感じました。「曖昧な言い回し」という意味では「~というか」にも似てはいるのですが、あちらと違ってこちらは「つけなくてもいい言葉がついている」ことで会話のテンポ感にはむしろマイナスなのがよろしくないですねえ。
まあこんな個人ブログに書いても仕方ないので、動作などで気になった点を色々報告する際に、これについても触れておこうとは思います。
BGMの話
めんどくさい話はこのくらいにしておいて、楽しい話をしましょう。BGM、今回も良いなーと思った曲は多かったですが、とくにハマったのはボス戦曲の一つ「Battle Junction -1209-」ですね。(サントラ未発売だけどこの曲は初回特典のミニサントラに収録されているので曲名がわかる)
期待を盛り上げてくれるイントロから、AメロBメロサビ間奏、全部すき。ゲームクリア後も脳内リピート再生が止まりませんでした。ここまでハマったのは黎の軌跡の通常戦闘曲以来かな~。ファルコム公式のミニサントラ試聴動画でも聴けるので貼っておきます。ここで聴けるのはサビと間奏だけですが……。
他には、ゲームを始めて早々に煌びやかなメロディで新たな戦いへの高揚感を演出してくれる「ヴァルハラの戦士たち」、CMでも聴いてヴァイオリンによるサビが耳に残っていた「そして、宇宙へ――」あたりがとくに印象に残った曲でした。って、どれもミニサントラ収録曲(なので曲名がわかる)ですね。やっぱりこれぞという曲を厳選してるのかな~
サントラのリリースも楽しみです。来年1月かー。ここ数年、サントラ出るのやたら遅い気がしますが、やはりCDの生産が大変になってきてたりするんですかねー。とくにファルコムのサントラは数枚組だし。デジタルだけ先に……ってわけにもいかないんだろうなあ。
シナリオとか色々(ネタバレなし)
箇条書きでざっくりと~。
- プロローグの懇親会からいきなり、「この人とこの人が会話したらこうなるよなあ」みたいな組み合わせが色々見られて楽しかったです。すっかり忘れてたけど、ルーファスとアルティナってそっか面識あったんだ。もはやあまりにも懐かしい……。クロウの近況を聞いて、ヴァンと似たようなことしてるなーと思たら本人達もやっぱりそういう認識だったりとか。
- エレインのコネクトイベントがすごく大事な話でした。ボロ泣きした。しかしこれメインじゃなくて任意選択のコネクトイベントでやるんかーい!という気持ちもあります。と思ってたら電撃オンラインの近藤社長インタビュー(後編)で「本来なら本編でやらなければならない部分ですよね」と自覚された上で「それですらコネクトに回さざるを得ない状態でした」「今は結末に向けて本編で語るべき要素が本当にたくさんあって、なかなか悩ましいところです」とあり、そっか大変だなぁ……という気持ちに。
- そもそも閃の軌跡のように事実上の好感度システムがあるでもなし、コネクトイベント全部見られてもよくない?とはずっと思ってましたが(例えば4spgを一定数こなしたらコネクトポイント追加とか)、今回とうとう実現しましたねー。「有り得たかもしれないコネクトイベントを追体験」って結局どういうことなんや!とは思いますが。実際起きたことになると考えていいのかな。これまでも、前作で体験しなかったコネクトイベントの内容をやってる前提でメインの話が進んだりしがちだったので(データ引き継ぎしているにも関わらず!)あまり深く考えず、「プレイヤーが観測しているかどうかはともかく全部起きたこと」と解釈しています。これはまあ閃の軌跡の頃からそんな感じではありましたね。
- これもまた、昔からなので今更な話ではありますが、ついでに。「◯◯で何か大変なことが起きてそうなので急いで向かわねば!」みたいなシチュエーションで通過する限定マップ(再訪問の機会なし)に、導力ロックつきの宝箱置くのやめちくりー!百歩譲って普通の宝箱なら「すれ違いざまに今後に備えて物資補給」とか自分に言い聞かせられなくもないのですが、さすがに立ち止まってハッキングは有り得んなーと思って泣く泣くスルーしました。これによって宝箱関連の一部アチーブメントが達成できなくなりましたが、自分のプレイスタイルを貫いた結果なので悔いはなし!
- それで思い出したけど、一部マップで幻獣みたいなでかい敵と任意で戦えるようになってたのも、今それどころじゃないよなーってスルーしたんですよね。閃の軌跡Ⅳの幻獣討伐みたいな感じで、てっきり再訪の機会があるかと思ってたら普通になかった……。
- レンが「モチのロンよ」とエステルの口癖使ってたの、懐かしいし、なんか嬉しかったなぁ。あとレンで釣りしたらもしかして……と期待してたら「エステルに仕込まれたおかげね」って台詞があって完全に期待通り。
- レンはコネクトイベントでヴァンとの出会いの話やってくれたのも嬉しかったです。あと久々にブルブランと(ほぼニアミスだけど)会えたのも嬉しかったですね。変装扱いにすれば本人の3Dモデルがなくても登場できるのが強い(笑)
- レンが「良い表情をするようになった」って、ジンさんが言うと重みがあるぜ……
- やはり街の人々それぞれの物語を追うのも面白い。プリモ、独立したんだなーとか。店を利用するときのボイスもシノさんをライバル視してる感じのオリジナルのものになってて楽しい。
- 前作前々作に引き続き、アイドル達の物語もよかった。事務所のゴリ押しで立場を奪われ……となっても、ゴリ押しで出てきた方にもしっかりドラマがあるのが軌跡流。ウィズユーもヴェガも両方応援してるぜ!
- ルーファスのSクラフト演出が面白すぎる。この人もういろんなしがらみから解放されちゃって、1周まわって気ままな人生満喫しすぎだろ(笑)いや、もちろん同時にこの立場だからこその形で世界に向き合ってるのもわかりますけどね……!?
- ルーファスを応援?するラピスもめっちゃ可愛いなぁ……
シナリオとか色々(ネタバレあり)
というわけで。
未クリアの人がここ読んでるとも思えませんが、一応ワンクッションいれましょうか。
ではそろそろ……
やりやがったな!!またやりやがったなファルコム!!!!
……とまあ、お約束で叫んではみたものの、実の所別に嫌いではない、何なら結構好きなんですよね、クリフハンガー。シリーズ全体を「大河RPG」として見ているので、1作ごとにしっかり完結しているべきみたいな感覚が全然ないという。この状態でやきもきし続けるのもまた希有な体験であろうなと。もちろん、最終的にちゃんと回収されることが大前提ですけど、そこに関しては長年の実績で信用はしていますので。
「アニエスがなんかヤバいことになる」というのは発売前に公開されたOPムービーの時点である程度察してはいましたが、想定を超えてきました……いや、ロストは候補の一つには入ってたかも。「そういう存在」になるってのが予想外だった感じかな。あと白い装甲に金髪のグレンデルはアニエスかなーと思いましたが違いましたね。なんなら“あの人”が変身するギリギリまでそう思ってましたが。まあこれはOPの構成的にも、あからさまにミスリード狙ってた気はしますねー。
あと、閃の軌跡Ⅳあたりで匂わせられた「世界の根本的な謎」について、数作・リアル時間で6年ほどを経てついに明かされたわけですが……長年シリーズを追ってきてよかったと思えるアツいものでした。そんなに珍しいネタでもないとは思いますが、スケール感はなかなか壮大ですね。色々なところで納得感のある描き方がされており、ぽっと出の設定ではない、しっかり仕込まれたものなのだろうなあと感じます。ほとんど覚えてないけど、空の軌跡SCの時点でケビンが「カルバードで出土した巨像」について言及してたのマジか。18年越しの伏線回収……
そういえば、軌跡シリーズは全体のプロットが最初から立てられているという話を聞いたことがありますが、この展開の構想はいつからなのか、ほんとに最初から?と思ったところで、そもそも今になって思えば≪身喰らう蛇≫(ウロボロス)が象徴するもの(循環性とか)が割とまんまじゃん!と思い至りました。やっぱ最初からの構想なのかこれ……。閃の軌跡で主人公が軍人の構想だったのが学生になったらしいのと同様に、「ざっくりとした展開はプロットにあったけど、それが宇宙で起きるというのは最近のストーリー展開に応じて決まった」って感じかなーと予想しています。
なさそうかなとは思いつつもちょっと恐れてたのは「仮想世界オチ」でしたが(描き方にもよるけど「それアリならもうなんでもアリじゃん!」となってしまいがち)これについては終盤で「ゼムリア大陸はちゃんと存在する」という主旨の内容がエミリア、あとベルガルド師父からもかな、語られてたのは、やっぱり気にしてそうなプレイヤーを意識してのフォローというのもちょっとあったのかもなーと思いました。
さておき、今回でアニエスのヒロイン力が限界突破してしまった気がします。「共和国編のメインヒロイン」は流石にアニエスで揺るぎようがないかなと……。その上で、ヴァンの恋愛という側面だとどうだろう……流石にこの流れでアニエスを取り戻すなりなんなりしに行って、「恋愛はまた別なので……」となり得るのか!? 最後はプレイヤーが選ぶ、というのもなくはないかなとは思いましたが。帝国編の好感度システムみたいのではなく、ちゃんとメインも含めたシナリオ上でダブルヒロインとの関係性をしっかり描いた上で、どっちも有り得るので最後はプレイヤーの手で、なら全然納得感はあるので。
いやまーしかし、黎の軌跡からわざわざタイトル一新して、その上で終わらないのは流石に想定外でした。新登場キャラ(結社の二人や残滓)について明らかに本作中で決着つけきる雰囲気ではないな、とは察してはいましたが、共和国編自体は今回で終わって、最終編にヴァン達も続投で他のメンバーと共に決着をつけていく……くらいかなと。流石に次で終わるとして、結局帝国編と同じ四部作になりましたなあ。
というか、共和国からゼムリア全体に話が広がるから黎の軌跡からタイトル一新、かと思いきや、リィンやケビンのルートも含め基本的に舞台は共和国でしたね。ここは若干拍子抜けだったかも。1つの国を主な舞台としつつも世界全体を巻き込むような話、というだけなら閃の軌跡Ⅳだって同じだし、それなら本作も黎の軌跡Ⅲとかでよかったんじゃないかなーとは思います。
黎の軌跡Ⅰ発売前の時点で「黎の→クロノ→Chronoで時の至宝」って考察がされてましたけど、やっぱりそうだったじゃん!(漢字は「刻の」ですが)。アツいタイトル回収……にならなかったのがちょっと勿体ないかな~って。あと次って界の軌跡Ⅱとかなのかな。それもなんか締まらない感じがしますが。新たなタイトルか、界だとしてもナンバリングじゃないタイトルの付け方とかしてきそうな気はします。
そのほか、ネタバレ話を箇条書きで色々と~
- アニエスの告白シーン。やはり事実上の好感度システムがないからこそ、メインシナリオと絡めてここまでの恋愛要素を真っ正面から描けるんですよねえ。色々な意味でついにここまで来たか……という感慨深さと、シーンそのものの良さにぐっと来ておりました。割とボロ泣きした気がする。アニエス役の伊藤美来さんの渾身の演技も素晴らしかったです。
- ただエンディングあたりで語られた制服で来た理由として、アニエスの覚悟というのはともかく、ヴァンが断りやすいようにというのは正直ちょっとピンと来なかった。学生であることなどをして「“理屈”は色々付けられるだろうが」と言うからには、逆に言えば本質はそこではないとは思うのですけど。そうはいっても流石にその格好だと意識せざるを得ない、ってことなのかなぁ。
- アニエスの想い、そして伊藤美来さんの演技はその後、アンカーヴィルでのコネクトイベントも良かったですね。「大切な人を想うのに、後悔なんて、しないでください」って貴女、それ昨晩自分を振った男に言えちゃうんだ。言えちゃうのがアニエスなんだよなぁ……(このシーンでもボロ泣き)
- 街のさまざまな人達に関しても、黎の軌跡から追い続けている関係性に一区切りありそうな雰囲気で、そういう意味でも共和国編いよいよ終わるんだなぁ……と感じていました。具体的にはくっついた、あるいはくっつきそうなカップルがいっぱい!
- ……と思いきや最後にああなっちゃうんだもんなぁ……。結局ランニング女子セルマと自転車男子ローディはどうなるんや!!
- それはさておき、もちろん関係性は恋愛ばかりではなく。最初は険悪だった2つの走り屋チームが、とうとう一蓮托生とまでなったのは感慨深いですね。
- あーでもグレアムとユニファは結局付き合ってるの?というのは気になります。めっちゃ付き合ってそうだけど明言はされてなかったよね……
- エディとバーゼリアお嬢様も微笑ましかったです。この二人は将来的には恋愛方面に進むこともちょっと期待しちゃいますが……。
- 初代シェアハウスメンバー、ジェス達が故郷で再会するのもアツかったです。別々のルートで見かける彼らが、「あれ、これみんなアンカーヴィルに向かいそうだな?」と察していくのも面白かったですねえ。
- キャロルはこれ、本人はそんなつもりはないのに上司が立場を利用して……みたいな感じかと思ってたら、普通にこれを機会に過去を振り切って……とよい転機的な流れ、でいいのかな。疑ってすまねぇ……。でもこれも結論出ずにああなっちゃったけど、次回作で回収されるんか?してくれー!
- ジェスとレイモンドの話。もちろんそこを深く掘り下げる作品ではないのであくまで「NPCの会話」の範疇ではあるけど、でもNPCの会話シーンとしては平均からやや逸脱するくらいテキストの量が割かれていて、このテーマを扱ったからにはファッション的に済ますのではなく、扱ったなりに真剣に向き合っていると感じられて良かったです。
- アルベール君玉砕は何らかの形(アニエスの回想とか)で描かれるかと思ったら、匂わせだけでしたねえ。この辺も次回作で見られるのかとも思いましたが、そもそも次回作開始時点でアニエスがどうなっているのか。よくあるパターンだと、あんなにアニエスのことを想っていたはずのアルベール君が「アニエスを知らない」とか?
- 終盤に向かうにつれて、一部で世界の終末っぽい雰囲気が出てきたのもいい意味で背筋がゾワっと来る感覚でした。七曜教会の司教さんがなんか察してたり。あとアンカーヴィルの作家のおじいちゃんが、急に意識がはっきりして「最後にこうして話せてよかったわい」「また会おう――その時まで壮健にのう」と、世界の終焉と再生を察しているようなそぶりだったのがなんかゾクゾクしました。
- 今回、シナリオ進行とシステムの整合性を取るのに苦労してそうな雰囲気は結構感じました。具体的には終盤の黑の庭城あたり。他ルートのキャラが登場するのが不自然になったあたりで、「アバターとして操作できます」って流石に力技すぎる……!アニエスも同様。
- 流石にこの状態で操作するのが最後ではなくて、最終決戦で別ルートのキャラもアニエスも含めた総力戦になるのかなーと思ってたらそれもなく、ちょっと拍子抜けでした。まあ、そういうのは次回作へ持ち越しってことかな~
- 創の軌跡でも黎の軌跡Ⅱでも、本編クリア後にやり込み系ダンジョンで追加エピソード、という形式だったのが、今回はちょっと強引な形式でも本編クリア前にやり込みダンジョンコンプリートとなる作りなあたりからも、「あ、これ本編ラストが“それどころじゃない”感じになりそうだな……」と察してはいました。
- そう言えば「庭城では時間の進み方が遅い」という設定が出てきましたが、これ前作(お伽の庭城)でもありましたっけ?「今それどころじゃないはず」というツッコミに対応した感じかな……?
- 「残滓」の正体予想。主にCVから。
- まず「女兵士」ですが、アンカーヴィル市庁舎で仮面が取れて素に近い声を聞けたとき、フェリと同じ小倉唯さんに聞こえたんですよね。その前にフェリが「戦術も戦技も――どこか懐かしいのに、私は知らない」と言っていたことからも、「別時空(前の周回?)の、今より成長したフェリ」かなーと予想しています。「成長したフェリを見たいけど、今から完結までの作中期間を考えるとレンやティータみたいには行かないよなぁ」と思ってましたが、厳密には本人でなくともワンチャン見られるのか?とワクワクしています。
- エンディングで「ごめんなさい。また、貴方たちに背負わせてしまって」と言った「騎士剣使い」ですが、最初CV瀬戸麻沙美さんに聞こえたんですよね。となるとサァラかオランピアですが、どっちもピンと来ない。と思ってた所でクリア後に感想とか情報とか色々見てたらCV斎藤千和さんという説があり、動画残しておいたので聴き返したらそう……かも、と。それならば話は早いですよね、別時空のエレイン一択。騎士剣なのも説の補強になりますね。ルーファスが剣を受けたとき「(この剣筋は……)」と何か察していたっぽいのはちょっと引っかかりますが(エレインと面識あったっけ?)
- 「陽溜まりのアニエス」関連のイベントもかなりアツかったですね。これもやはり別時空のアニエスか……?って、これめちゃめちゃ重要っぽい話だし重要そうなアイテムも入手してるのに、サブイベントなのがちょっとびっくりですが(どうせまた次回作ではやってる前提の話になりそうですけどぉ……)
- 前作からちょっとあった覚えもあるけど、戦闘中に掛け合いの台詞が入ることが多くて楽しかったです。特定の状況で発生するものもある感じ。リィンが神気合一使ったら師匠が褒めてくれるのアツかったなー。
- そういえばリィンが再登場ということで、好感度システムによりプレイヤーが一人の女性を選んだ過去作との整合性どうするねん、と思ってたけど、龍來でのコネクトイベントの占いの話やユン師匠との会話からして、特定の誰かとはくっついてないことになっているっぽいですね。それが無難だと思いつつ、じゃあ閃の軌跡4作でプレイヤーがやってきたことはなんなんや、ともなるので、やはりそもそも好感度制はやるべきではなかった……という結論が補強されました。
- ジンさん、キリカさん、ヴァルターの3人が泰斗流道場に集うのが感慨深かったですね。空の軌跡の頃には考えられなかったなぁ……。
- 前作終盤で見せたスウィンのナーディアに対する素直クールなラブラブっぷり、てっきり学園際というお祭りの雰囲気ならではの一時的なものかとも思ったら、このまま突き進むのか!いやー面白すぎるぞスゥイン君。ナーディアの方が押されてるの新鮮。それはそれとして、二人が決めた生き方や、お互いへの真摯な想い、それでいて「二人だけの世界」に籠もるのではなく出会った人達のことも想っているのが感じられて嬉しかったです。
- 「年下の部下が出世して敬語を使う方向が逆転したけど、ここぞという場面でほんの一時だけ元の話し方に戻る」というシチュエーションが大好きなので、グラムハート大統領とハーリング司令のそういうシーンはふおおおおおとなりました。
- とくにリィンルートで、過去作の人達の近況とか語られるのも嬉しかったですね。ユウナ、正式に特務支援課に入ったのか。感慨深い……
- ついにケビン再登場ということで、当然リースもかと思ったら違って「えー!?」ってなりましたが(エステルとヨシュア、ナーディアとスゥイン並みに「一緒が当然」と思っていたので)一応、本編を進めていくうちに納得はしました。というか最初あまりにも思わせぶりだったので、人質になってるとか、ケビンが目的を果たさないとリースが大変なことになるとか、それともまさかまさか、既に……とかやきもきしていたのですが、単にリースに言えないようなことするから黙ってたって、ケビンお前なー!今更それかよ!!そういうとこだぞ!!……って作中でもさんざん突っ込まれてはいましたが。何はともあれ、流石に次回作では満を持してリース登場と信じています。そしてケビン怒られろ!!
- リースが再登場しにくい理由として、セリスとの蛇腹剣被りがあったりするのかな……とも思いましたが、個人的には得物変えるのもアリだとは思うんですよねー。導力銃とかも似合いそうとは思いますがケビンと遠隔武器で被るか。
いったんこんなところで。何はともあれ、続きがめちゃめちゃ楽しみです。システム継続なら来年なのかな……あ、でも空の軌跡 the 1st(仮称)も挟むんだった。まあこっちはフル3D化とはいえなんだかんだでリメイクなので夏くらい、界の軌跡Ⅱ(仮)が9月とかですかねえ。
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