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『英雄伝説 黎の軌跡Ⅱ』感想メモ

『英雄伝説 黎の軌跡Ⅱ』感想メモ

色々あって発売から1年以上経ってしまいましたが、やっとのこと『英雄伝説 黎の軌跡Ⅱ -CRIMSON SiN-』をクリアしました。

大きな変革があった前作(本ブログの感想記事)からはシステム面はおおむねマイナーチェンジということもあり、今回は感想を記事に起こすほどでもないかなー、とも思ったのですが、なんかもう軌跡シリーズについてはクリア後に感想を記事として書き残しておくのまで自分の中でルーティンになっていて、書かないとすっきりと次に進めないので箇条書きメインでさくっとしたためておこうかなと思います。(書いたらイースⅩやるぞー!)

なお、致命的でない(と僕が考える)レベルのネタバレは気にせずちょいちょい挟んでいく予定です。そもそも黎の軌跡未プレイの人が読んで意味がわかるように書くつもりもないですしね。何かの拍子にこの記事を開かれた黎の軌跡未プレイの方がいたら、よかったら前作の感想記事(こっちは多少は黎の軌跡や軌跡シリーズ自体を未プレイの人にも通じるよう意識してます)の方を読んでみてくださいませ。

街巡りのユーザビリティは前作で極まったかと思いきやまだあった

ストーリーの進行に応じてNPCの会話が細かく更新されていくのが軌跡シリーズの特徴。これにより作中世界の実在感、解像度が上がったり、街の人々それぞれの物語を追っていくのが楽しかったりするのですが……。これに関するUIで大きな変更がありました。

もともと前作時点で、話しかけられる人が限られるようになったほか、これ以上話しかけても新規の会話がない場合にTalkアイコンがグレーアウトするようになり、「街巡りが楽しいけど同時に正直ちょっと煩雑(この二つの感情は矛盾なく両立するんや……)」という問題にメスが入っていました。街巡りのユーザビリティに関してはもうこれ以上やることはないかな、と思っていたのですが……。

いやーまだありましたね。というわけで本作にて、「マップ画面での人の配置を表すアイコンも会話状況によってグレーアウトする」という機能改善が!

人によっては最初に大きく取り上げるほどのことか?と思われるかもしれませんが、個人的には本当に画期的な改善です。NPCの会話を聞き逃すのが嫌で、一通り巡ったあとに念のため再度Talkアイコンがグレーになってない人がいないか見て回ったりしてましたからね……マップ開いてさくっと確認できるのは街巡りの快適さが段違いになりました。

あと、そもそも複数回の会話がなく、1回で会話が終わる(Talkアイコンがグレーになる)NPCの度合いも前作以上に増えた気がします。これはちょっと気のせいの可能性もありますが。UIの改良と合わせて、街巡りの負担がかなり減っているかなと。これは結構意識して減らしてるんじゃないかなー。

状況の変化によって、一部にだけ新たな会話が発生するような場合もありますが、これが判別出来るようになったのも大きいですね。前作までは「話の流れ的に、この人に新たな会話が追加されてるんじゃないかな……」とか当たりをつけて確認してましたからね。(ただこれについては発生してもグレーアウトの場合もあり、完璧ではなかったです……今後の改善に期待)

というわけで、改善しきったと思いきやまだやれることはあったんだなぁと感心したという話でした。あと、NPCの会話を全部細かく追ってるプレイヤーの存在を想定してなければここまでやらないと思うので、その辺をちゃんとケアする気遣いが存在していること自体もなんか嬉しいですね。

余談ですが街巡りといえば、もう世界観が完全に現代~近未来なので普通にお出かけの擬似体験って感じで楽しいです。ファストファッションの店とかあるし。街頭ビジョンで流れてて気になった映画観たり。

シナリオまわりの話 ~すーなー参戦!すーなー参戦!~

  • すーなー参戦やったー!キャラとしての登場は創の軌跡からですが、その前の小説「3と9」のときからめちゃめちゃ好きなペアなので再登場嬉しかったです。ちょっと成長したナーディアがまた可愛いのだ……。
    • 映画を一緒に見た時の感想、基本的には二人誘っても一人ずつ個別に語る感じですが、すーなー誘ったら二人セットでの感想だったのが「需要をわかっている!!」と感心しちゃいました。あとネメス島ではすーなー同時編成時のアクティブボイスがあったりね。
    • 「この瞬間を待っていた!」とばかりに空間を切り裂いてスゥインが登場するシーン、めちゃめちゃ格好良かったなぁ……(空間を切り裂いたのはルクレツィアの力だけど)
    • スゥイン側はあくまでナーディアを妹扱い……というのがこれまでの流れでしたが、本作の事件を経てスゥイン側の意識に変化があったようで、最終幕ではなんかもうただのバカップルになってました。いいぞもっとやれ。
  • レンの掘り下げも良かったですね。前作でちょっと前フリがあったのと、発売前にまさかの「楽園の少女」動画公開ということで何かあるだろうとは思っていましたが。そして最終幕コネクトイベントでまさかの……!空の軌跡the 3rdの曲が使われていたのも最高でした。個人的に空の軌跡SC、同the 3rd、零の軌跡を「レン三部作」と呼んでいたのですが、本作を含め四部作になってしまったかもしれません。
    • それにしても、空の軌跡the 3rdのコンシューマ版ではカットされてしまった「楽園」パートが、動画という形ででも復活したのは時の流れを感じます。まあ、空the 3rdと黎ではレーティングが違うというのもありますけどね。ともあれこの動画、ゲーム内にも入ってるので堂々と正史と言えるようになったんだなと思うと感慨深いものが……。
  • リラさん再登場嬉しい!リベール懐かしいな。空の軌跡のEvolution版で声と立ち絵がついたメイベル市長、とくに声が可愛くて結構推しなんですが、流石に市長の再登場は難しいかなぁ……シリーズ完結までにもう1回くらいリベール行きたいけど。
  • 今回はループものだったかー!このネタでできることはやりきるぞとばかりに、バッドエンドの大盤振る舞いで面白かったです。途中から「ループできるからってちょっと行動が雑になってない?」みたいな面もありましたが、そういう気の緩みみたいのもループもののあるあるネタの一つではあるかなと。
    • デッドエンドからのループがあるのを逆手に取って、「またループか」と思いきや……という展開があったのもアツかったですね(レン会長帰還!のところ)。ほんとこのネタでやれる展開はとことん詰め込んだなって印象でした。
    • 条件を満たせばループせずに一発で通せる所が僅かながらあったのも良かったです。(イクス&ヨルダ戦の同時撃破とか)
  • ループまわりの雰囲気作りもいい感じでした。ループ画面の曲が神秘的でめっちゃよい。空the 3rdのレクルスの方石の曲を思い出しました。第Ⅲ部の最後のループで前の方まで一気に移動する演出もよかったなー。
  • ただ逆に言えば、システムっぽい画面作りですが「前の分岐点に戻る」以外にやることはなく、あくまで演出でしかなかったですね。これについてはGamerのインタビューによると「自由に時間を行き来できる案もあった」らしいけどRPGのシステムと上手くマッチしないということで現状の形になった模様。まあそれだけでADVを1本作れるネタだからなぁ……。ストーリー1本道のRPGでがっつりシステムとしてやってくのは流石に厳しいかと。個人的には「それっぽさ」を感じられただけでまあ満足です。
  • ネメス島はオラシオンの再演かと思いますが、“ゲーム”のルール上どうしても戦わざるをえなかったあちらと違い、「いや流石にそこは戦ってる場合じゃないだろ今までの信頼関係で何とか通してよ」みたいな、ゲームの都合を感じてしまう戦闘もちょっとありました。vs遊撃士協会とかね。あとこれは任意とはいえ、vs斑鳩が「こっちが失敗したらフォローしてくれるというなら(それが例えこちらの討伐まで含むとしても)状況解決という意味では願ったり叶ったり」なので正直戦う理由はないんだけど、RPGプレイヤーとしてはチャレンジバトルには挑みたいし、章のクリア評価にも関係してそうだから戦うしかないよなー、みたいなジレンマもあったり。
  • 第Ⅲ部の認識改変、それ自体はまあよくあるネタくらいの感じでしたが、改変されていることにどのくらい気づけるかどうかでキャラの格を示すのは面白かったですね。リゼット流石と思う反面、違和感を持った理由には切ないものも。そしてカシム主任が強キャラすぎる。
  • 学藝祭の劇のムービー、めっちゃ良かったですね!モーションキャプチャーかな?もともと軌跡シリーズは2Dの頃にキャラによる人形劇が職人芸レベルで極まっていたのですが(零の軌跡だっけ、アルカンシェルでの講演が感動ものでした)3D化されてその辺の演出技術が一度リセットされてるんですよね。年々良くはなってきてるものの、バトルシーンはともかく踊りなどはまだまだ固さもあったのですが……今回ついに、忖度なしに素直に「凄いな」と感じられるものに仕上がっていました。やっとここまで来たんだなぁ……
  • とまあ、キャラの掘り下げや本作のネタ自体は満足で今回もストーリー面白かったなー、とは十分なったんですが、それはそれとして軌跡シリーズ全体の話としては思った以上に進展がなかったですね!? 前作で色々と提示された伏線の回収具合がびっくりするくらい少なかったというか。
  • なのでこりゃあと2作はやる気だな……?と思ってたのですが、アップデートでの追加要素の方の最後に「to be continued…KURO NO KISEKI FINAL CHAPTER」と出てマジ?となりました。……が、「黎の軌跡Ⅱ公式ビジュアルコレクション」のインタビューを読んでたら「残りが分作になる可能性も……(汗)」とあり、あ、これ五分五分くらいであと1作じゃ収まらんなという予想です。「分けたくはありません」とも仰ってはいましたけど。良くも悪くも「コンパクトに纏めきる」ということができるシリーズじゃないからなぁ!
  • ラスボスとの対峙自体は非常に熱い流れだったものの、その前の仮ラスボス(?)と、アップデートでの追加要素の最終ボスがどちらも「誰?」て感じだったのも、ちょっとぱっとしない印象ではありました。仮ラスボスがあくまで前座なのはお約束としてわかりきってはいたものの、それにしてもぽっと出感とキャラクターとしての格の低さが気になったり。
  • 残りの「執行者になる者の数」が示されたのはちょっと「おおっ」となりました。なんだかんだでシリーズ完結に向かって少しずつ外堀埋めてってるなぁ……
  • アニエスとエレインのダブルヒロインっぽい所、最終的にはどう決着つけるのか……現状まだ何とも言えませんが、最終幕の学藝祭で同行者選ぶときはちょっと緊張が走りましたね。まあ最初に選んでない方にも自由に入れ替えできるんですけど。個人的には、閃の軌跡みたいにプレイヤーの自由にできるせいで、メインシナリオと絡めてそういった関係性を描けないのはNGですが……ダブルヒロインをしっかり描いた上で、最後の最後でプレイヤー選択とかならまあ、アリかなと思ってたりします。
  • ……のですが、公式ビジュアルコレクションのインタビューでは「プレイヤーが選択する方式にはならない」とありました。マジ!?メインストーリーの中でしっかり決着が描かれるのならそれはそれで大歓迎です。まあ、恋愛的な意味では決着つけず保留、というのも十分ありそうではありますが。
    • 最終幕のコネクトイベント、エレインは最後の方とかでちょいちょい元カノ感出てるくらいだったけど、アニエスの方はかなり踏み込んでましたね。この辺をみるとダブルヒロイン的とはいえやはり基本はアニエスに寄ってる感じかなと思いますがさてどうなることやら……?
    • などと言ってたら、エレインの方は序盤でけっこう詰めてきてたのを、自分のツイート見て思い出しました。

システムやバトルの話

  • オーブメントのカスタマイズも含め、戦闘システムは順当なマイナーチェンジという感じで取り立てて語りたいこともあまりないかなぁ。Sクラフトが1回のブーストで1回という制限がかかったことで、大技連発プレイがさらに抑制されるようになったのは良かったとかその辺くらいかな。
  • これはどちらかというと演出寄りの話ですが、グレンデルの新Sクラフトで、中のヴァンが重なって表示されるのがめっちゃ格好良かったですね。ヴァンとグレンデルのシンクロ率が上がっている、ヴァンが理性を保ったままグレンデルを使いこなしてるのが感じられました。
  • ラスボス戦のシャード強制解除でアクションバトル化はびっくりしたけど面白かった!アクションバトルとコマンドバトルの切り替え、単純な操作の違いというだけでなく作中デバイスで実現してる設定だから確かにそういうこともあり得るんやね……。色んなキャラ使える仕掛けもあって、面白いラスボス戦でした。
  • 逆にアップデートでの追加要素の最終戦は、なんか「控えキャラも含めてしっかり準備しておきましょう」的なことを言われた気がするけど、その割には結局編成してるメンバー以外出番なくて拍子抜け。2パーティ分割とかあるんじゃないかと思ったんだけどなー。とくにギミック的なものもなく、正直、そんなに強くもなかったかなと。まあ難易度ノーマルだからかもしれませんが。
  • クリア後のやり込みダンジョンみたいの、創の軌跡みたいな半ばお祭りゲーならまあギリギリありかなって感じですが、ナンバリング本編(的な位置続け)の作品でやられるのはちょっと嫌かもなー。感動のエンディング!ですぱっと終わりたい。しかもシリーズ的にも結構重要っぽくてなんか凄い感じの敵との対峙だった創の軌跡に比べると、前述の通りぽっと出感があり、存在としての格も低い敵だったので。
    • お伽の庭城自体、本編の合間に各層1周ずつするくらいならちょっとしたアクセントとして楽しめましたが、クリア後はそればかり何層も続けてやることになるので正直ちょっと飽きがちでした。状況に沿わない衣装チェンジとか苦手なのでやってなかったのを「仮想空間ならアリか」としてみたり(アーロンのDLC衣装のスーツ、なかなかキマってますね!)戦闘BGMを前作のに変えたり(めっちゃ好きなんですよ)して気分転換しながら乗り切りました……。
    • ……などと言ったものの、クリアして1日くらい経ったら「わちゃわちゃキャラ動かしてバトルするの楽しかったなぁ、もう終わりだと思うとちょっと寂しいな」みたいな気持ちも湧いてきたので、なんだかんだでまあ楽しんではいたかもしれません。
    • ハッキング、お伽の庭城の方でプレイできるやつが最初はLv1ですらクリアできずに「コマンドRPGで(いや一応アクション要素もあるけど)ここまでガチのスニーキングアクションやらせるんかー!」と嘆いてましたが(まあ必須ではないけど)本編の方でのハッキングで少しずつプレイスキルを上げていって、気づいたらLv3までクリアできるようになってたのは(おまけのミニゲームの習熟度がいつの間にか上がっていたという事実が)ちょっと面白かったです。

ひとまずこんな所かな~。次回作楽しみですというか、持ち越しの謎が多くて早く教えてくれー!みたいな気持ちも大きいですね。クリフハンガーではなく伏線張りっぱなしまくりという、新しい形での焦らし方が来たな……?

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