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【計16作品+α】2018年にプレイしたRPGを振り返る

【計16作品+α】2018年にプレイしたRPGを振り返る

もう2019年もほぼ1/3が過ぎてしまいましたが、色々あってやっと書ける余裕ができたので2018年の振り返り記事です。リリース時期とは関係なく「僕が2018年にプレイしたRPG」をクリアした月ごとに振り返っていこうかなと。

1月

ティルキッス ~Princess Shade~(有償同人ゲーム→現在はフリーゲーム)

名作アクションRPG。10年以上前に難易度EASYでプレイして、いつかNORMALをやろう……と思いつつそのままになっていた作品です。2017年末にフリー化され、今がその時だ!とプレイしました。記事も書きたかったですしね。

この10年でアクションの腕もまあ多少は磨かれたかな?と高を括っていましたが……いやー2話が地獄でした。流石に細かい展開は覚えてなかったので、ラストだと思ってたボス戦をギリギリ越えてからの「えっもう1戦あるの?会話イベントだけでなく? 回復もなしで? 負けバトルでもなく?」が最高にヤバかった。この2戦の合計で100回くらいリトライしたんじゃないかな。

そこを越えてからは、ひいひい言いながらも詰みを意識するほどの難所はなかったかな。やっぱりアクションRPGとして、リソース節約を意識する道中も、弾幕STGっぽくありつつもときには剣で斬り込んだりもするボス戦もめちゃめちゃ面白い!サブダンジョンのドラゴンもリトライの末に倒せて達成感ありました。南東の神殿は最後、ここでゲームオーバーになったらかなり巻き戻っちゃう……ってところで何とか切り抜けてドキドキだったりも。

ボス戦のBGMもいいんですよね……。強く印象に残っていて、流れた瞬間一気に当時の感覚を思い出したような気がしました。BGMは基本的に素材曲だったかと思いますが、EASYをプレイした頃に曲を集めて自主的にサントラ作ってたはずなんだけどどこかに行ってしまったな……惜しいことをした。集め直すにももう落とせない曲とかありそう。

シナリオも久々に堪能しましたが、やっぱ良い……。台詞が生き生きとしてて、熱が籠もってて、キレがいいんですよね。ティルがまた格好いいんですわぁ……。

作者さんが開発中の次回作も楽しみです。先は長そうですがのんびりお待ちしています。毎年年末に更新される開発ブログを拝見するのが風物詩として結構楽しみだったり……。

和風面子だけでばとる(フリーゲーム)

ゲーム投稿イベント「VIPRPG紅白2017」参加作品。味方をかばう技とHPが低いほど威力が上がる技でカウンターを狙えるヒツルギ、攻撃系と回復系、2種類の「型」を切り替えることで能力や使える技が変わる水煮(ウォーターⅡ)といった個性的なメンバーで、ギミック満載のボスと戦うのが非常にアツい作品でした。キャラの掛け合いも楽しい。

ARTIFACT ADVENTURE 外伝(有償インディーゲーム)

フリーシナリオRPG『ARTIFACT ADVENTURE』 (窓の杜で執筆した紹介記事) の外伝というか続編というか。作品としては完全に独立しているので本作からのプレイで問題ないと思います。

前作は「まるで周回要素のような尋常ではない恩恵(最初から飛行船を持っている、など)を3つのうち1つだけ最初から選べる」という要素がユニークだったのですが、これは3人の人物から仲間を1人選ぶという形で健在。また、プレイヤーの選択でイベントの結末やその後の世界の様子が変わっていくという要素は、選択の結果が「3年後にまとめて出る」という形になったため、より「取り返しの付かない選択」っぽさが増しました。世界を1周して各地の問題に取り組みながら力を付けて、3年後にもう1周してどう変わったか確かめていくのが楽しい感じ。

戦闘は前作のコマンド型からアクションに。自分は大金を持っている貴族を仲間にしていきなり強い武器を買ったこともあり、体当たり攻撃や効果も演出も多様なスキルでバリバリ無双できて爽快でした。装備品によってキャラクターの見た目が変わるのも楽しい。一部のボス戦は流石に手強く、攻撃を見切ってヒット&アウェイとかも楽しめました。

ノーコストで使えるファストトラベルあり、ダンジョンでのエンカウントは固定シンボル型でアイテム消費によりシンボル除去可能などプレイアビリティも良好。ダンジョンはこの仕様により一度出るまでは行ったり来たりしても再エンカウントが無いのが有り難い。結構サクサクプレイできて楽しかったです!

……まあしかし正直、ゲームボーイ風のドットグラフィックはいい感じなのですが液晶風のモノクロ表示にはとくに思い入れがないので、普通にカラーの方が見やすかったなあとは思いました。今後出る予定のSwitch版はカラーになるみたいですね。いいなぁ……。

2月

カルエナダンジョン(フリーゲーム)

我、独自戦闘システム大好きマンですが、操作のシンプルさと奥深さの両立という面では本作の戦闘システムがここ最近で一番ぐっと来ました。4人パーティの各メンバーの行動はあらかじめセットしたスキルの中から自動で選ばれ、プレイヤーは行動順を選ぶだけ。しかし行動順により変化するスキルの効果やスキル同士のシナジー、敵の状況によって無限の戦略が生まれる……。

敵のHPが偶数か奇数かによって効果が変わったりするスキルなんかもあって、スキルは状態異常の付与率など一部の付加要素においてランダム要素はあるものの効果量にランダム要素はなく、敵のHPがどう変動するかも先読みして行動順を決めたりするというテクニカルなプレイも非常にアツい作品でした。比較的小さい、暗算で対応可能な値のやり取りになるのがパズルチックで面白い。

ボスも色々なギミックがあって本当に楽しかったです。オリジナリティの高いゲームですがチュートリアルも丁寧で理解しやすく、バランスも絶妙。またビジュアル面や結構ほのぼのとした世界観などもとっつきやすいのでRPG好きなら幅広い層におすすめしたいゲームです。

神の切り札(フリーゲーム)

武器・防具に加えて「カード」を5つまで装備できるのが特徴の作品。カードは能力が上昇するもの、戦闘中に使えるスキルを習得するもの、特殊な効果を発揮させるパッシブスキル的なものと様々で、自由度の高いカスタマイズを堪能できました。武器や防具もユニークな効果を持つものが色々あり、ダンジョン探索でパーティ強化していくのが楽しい。

戦闘はターン制のコマンド選択型。自分はザコ戦をしない縛りで進めましたが、こうするとボス戦がしっかり戦略を練ってギリギリ勝てるくらいの絶妙なバランスでアツかったです。さらに、進行に必須ではない隠しボス的な敵もいっぱい居て、こちらはギミック系のバトルが盛りだくさん。どういう装備、どういう戦術で倒したか強敵撃破記録を作りましたが、こういうことをしたくなる、自分はこう倒したと語りたくなるタイプのゲームでした。

世界観は全体を通して薄暗いムードのあるダークファンタジー的なもので、とはいえパーティメンバーは結構賑やかだったりもして(主人公は台詞がないタイプ)苦難もありつつも人類救済に向けた希望もある旅、という感じではあるのですが……サブダンジョンまで巡っているとどうもさらに裏がある感じでうすら寒いものを感じるのが興味深く。断片的な情報を繋ぎ合わせて真実が浮かび上がる……みたいな感じでした。いや実は後述の理由もあって完全には把握しきれてはないのですが……。

という感じで本編クリアとクリア後要素のボスの撃破あたりまで堪能したのですが、本作には本編クリア後にプレイ可能となる、本編とは別内容の「アナザーストーリー」というのがありまして。こちらはレベルアップなし、本編よりさらにギミック性の高いボスという感じの高難易度モード。そういうの大好き!と突撃しましたが……

詰みました。最初のボスが倒せねえ~!何かしらの解法を求められる、パズルチックなボスというのはわかるのですが解き方がわからずギブアップ。ゲームに付属の攻略のヒント(実質回答)を見たところなるほど!と。いや、めちゃめちゃ言い訳ですが本編クリアからアナザーストーリーのプレイまで色々あって結構間がありまして、一部仕様をちゃんと思い出せてない状態でプレイしたのが拙かった。本編のバトルの応用編みたいな感じで、わかってみれば非常に面白いボスだったので自力で倒せず残念です……。

個人的なこだわりというかルールとして、ことRPGに限ってはクリアまで攻略を見ない、逆に言えば攻略を見た=ギブアップ=続行不可となるため(攻略を見てRPGをクリアした、というマイナスの実績を解放したくない)アナザーストーリーのプレイはこれで中断です。とはいえ、この先もきっと面白いバトルがいっぱいありそうだし、ストーリーも気になるので後ろ髪引かれるのですが……いつかこだわりを捨ててもいいかなと思ったらプレイ再開しようかなと思っています。

ちなみに、本作の作者さんは次回作『ミツリの切り札』を制作中で、体験版も公開されています。カードによるキャラクターカスタマイズや戦略性の高いバトルなど、本作の良いところを引き継ぎつつビジュアル面などとっつきやすさが上がっている印象。完成が楽しみな作品です。

3月

Element Zero(フリーゲーム)

「VIPRPG紅白2017」参加作品。完成前からTwitterやブログで開発状況をお見かけして「あっこれ絶対すきなやつだ」と思ってたらもうどストライクでした。バリッバリの独自戦闘システム1vs1ゲー。行動が全部スキル(魔法)、コスト範囲内で1ターン複数回行動、間合いの概念。もうね、好き。大好き。

全体的なゲームデザインも練られていて。自由度は高く、それでいて作者さんの想定から大きく外れたプレイにはならなそうな誘導が優れてるなと思いました。例えば僕は原則としてはザコ戦全スルー派なのですが、「日数制限あり」「1日に使えるリソースに限りあり、日をまたぐと全回復」となるといかにリソースを使い切って効率よくプレイするかという考え方に切り替わるんですよね。というわけでザコも積極的に倒して稼ぎながら進めました。HP/MPどちらが尽きても撤退なので、MPを消費しない回数制限型の魔法も活用して、なるべくHPとMPが同時に底を突くように進めていくのが楽しかったです。

敵も1体1体、ザコに至るまで凝っていて……。ザコ戦も十分以上に面白いというのもスルーしなかった理由ではありますね。それでいてパターン組めればサクサク倒せるので重すぎることもなく。ボス戦の方はもちろんギミックとかも凝ってるのですが、同時に「そこまで消耗を抑え、いかにMPや決戦兵器たり得る回数型魔法を温存しておけるか」というトータルの戦略も必要となってくるのがアツかったです。

そんなこんなで、クリアリザルトはこんな感じ。7日目でクリアはかなりイケてる方では~?と思ったらVIPRPG紅白の掲示板とかにはものすごい猛者が居てびびりましたね……。

最多使用魔法はマックスキャリバー。移動しながら攻撃値を上げるプラズマダッシュで接近して、コストの低い近接技のマックスキャリバーをガンガン叩き込む、といったコンボもアツかったですねえ。魔法でコンボを決めていくのは戦術的にも面白いし、ロマンを感じる面も。そうそう、戦闘アニメーションによる演出も凝っていて魔法戦闘の雰囲気が出ていました。

ストーリーもテキスト量自体は控えめですが、その中でしっかりとした芯があり、キャラクターも魅力的でした。ヒロインのティーナさんがね、本来は強い女性だけど今は色々あって弱っちゃってるけどやっぱり芯が強いなと感じる面もあって素敵です。そんなティーナさんが主人公の追加シナリオも予定されているようなので楽しみにしています!

4月

流れよ我が涙、と魔法使いは言った。(フリーゲーム)

ウィザードリィ風の3DダンジョンRPG。実はわたくし、ウィザードリィは初代(PC-98版)を地下3階くらいでギブアップしてるので、元ネタ準拠の要素なんかは多分見落としてるんだろうなと思います。方向音痴ゆえ3DダンジョンRPGも苦手で、オートマッピングがあれば何とか、という感じですね(ほとんどマップの方を見ながらプレイする感じ)。本作にはあります!良かったぁ……。

(余談ですが、このため戦闘が面白そうでも3Dダンジョンであるという理由で手を出せてないRPGが結構あるんですよね……世界樹の迷宮とか。シリーズには一部オートマッピングがある作品もあるようですが、コンセプトに反するであろう救済的なモードを使うのはそれはそれで避けたいという……←わがまま)

閑話休題。地下2階にして全体麻痺の連発でハメられたりとか結構敵がえげつないんですが、こっちも強力な攻撃や状態異常を結構覚えるので、状態異常の応酬など激しいバトルを楽しめました。

キャラメイク時に選べる種族に他ではあまり見かけないユニークなものがあるのも楽しい。自分はMP自動回復のあるヒュイルを魔法使いにして大技連発したり(ただし炎・氷系の被ダメージが2倍になるので全体魔法とか来るとさっくり墜ちる)、戦闘終了後に蘇生するフェニックスメイジを戦士にして特攻かけたりしてました。

宝箱の開錠など、ダンジョン探索の雰囲気も味わえていい感じ。ストーリーも色々とやるせねぇ感じが好みでした。

5月

人類滅亡後のPinocchia(フリーゲーム)

公称ジャンルとしてはRPGですが、資材やユニットの管理という面でかなりSLG寄りの作品かな?戦闘も半オート的なもので、どちらかというと戦闘に入る前の戦略レベル(編成、アイテムの準備、回復のタイミング等)が重要ですし。部隊編制(≒戦闘スタイル)を考えてアンドロイドを製造していくのが楽しかったです。

自分はこういう複数の素材の中長期的な細かい管理とかはどちらかというと苦手ですが、次の日に欲しい素材を得るために転換炉を強化したり、素材と重量の制限の中で持ち込むアイテムを選ぶみたいな都度判断により、常にカツカツのリソースを何とかやり繰りしていくのは結構楽しかったです。難易度も比較的易しめで、多少管理がガバくても詰むことはなさそう。

探索においては、アイテムによるアンドロイドのHP回復は現HP依存……つまりHPが減れば減るほど回復が非効率になっていきジリ貧に、という仕組みもあり、どこで撤退するかのチキンレースが楽しい感じでした。この手のノンフィールド型としては「中間チェックポイントなどはなく撤退したら次の探索はその層の最初から」というのがなかなかシビアな仕様で、なるべく行ける所まで行きたくなっちゃうんですよね。

とはいえ探索中もいつでもセーブできる仕様なので、危なそうなところでセーブして試行錯誤できちゃったりはするのですが……。拠点のみセーブじゃないのは意外だな~と思ってたのですが、 作者さんによる開発記的な記事によると色々と事情もあったようで。この辺に調整が入ったハードモードも今後出そうな雰囲気っぽい?

さておき、自分のクリア記録はこんな感じになりました。ときには有用性の落ちた機体を分解してリサイクルしていく、というのも想定されたプレイだと思いますが、自分はこういう場合、できる限りは初期機体を使い続けたりしたくなっちゃうタイプで……。というわけで、汎用型を最大レベルにしたことに対してある意味ご褒美があったのは嬉しかったですね。これを利用して汎用型のコアを引き継ぎ最強機体を製造したのが(チュートリアル以外での)唯一の分解でした。初期機体が残したもの(コアと某アイテム)を最強機体へ、というのもちょっと浪漫を感じたり。

とまあ、語ってみたら意外と語ることもありましたが、やっぱり個人的には一手一手を考える戦闘とか、ダンジョン探索して面白い装備をゲット!みたいなRPGRPGしたRPGが好きなので、ゲームとしては作者さんの過去作ほどにはハマらなかったというのが正直なところです(いや勿論、十分面白かったですけどね!)。なので本作で一番好きな点はストーリーだったりします。

人の居た痕跡だけが残っている無人の舞台とか……断片的に残された情報を繋ぎ合わせていくことで世界観や過去に何が起きたのかが浮かび上がっていくのとか……主人公が何者かというのも謎になっていて、回想と現在が収束する瞬間とか……。第五階層到達直後のアレでもうブワっと来ました。第四階層あたりからは音楽による雰囲気作りもすごく良いんですよね……かつてここに居た人達に思いを馳せるみたいな……。

残された手記などは直接的に真相に繋がるもの以外にも色んな立場の人々の生活やらが伺えるものもあったりで。過去の時代(=プレイヤーにとっての現代)の情報が一部断絶していて、プレイヤーにとっての常識がフィクション扱いになってるみたいなのも楽しい。SFとしてめちゃめちゃアツい作品でした。

余談ですがわたくし、文書に振られた数字の意味を最後まで、クリア後に文書を読み返してもなお気付きませんでした(汗)。Twitterで話題になってて「あっそういうことか!」と。「そう」かもと思ったことはあったような気はしたのですが「その順番」は完全に想定外で……(言い訳)

6月

セレナと魔物の古城(フリーゲーム)

公称プレイ時間10~15分程度の掌編。ザコ戦を全スルーすればクリアまで2戦、1人パーティ、シンプルなダメージ計算式とミニマルな内容。それでいてそれぞれ使い所の明確なスキルや敵の次の行動が表示される仕様などにより、ターン制コマンドバトルの面白さを十分に味わうことができました。

ザコ戦全スルーのレベル1プレイだとラスボス(ラスボスとは2つ目のボスのことです)はめちゃめちゃ苦戦、でも全く倒せないほどではなさそうという絶妙さ。リトライの末に倒せました。達成感あったなぁ……。

ヒントの配置なども含め、調整やプレイアビリティの面で作者さんのRPG観的なものが自分の趣味に合うなーと感じられました。今後の制作を応援したい作者さんの一人です。いやまあ、あんまりプレッシャーかけちゃうのもあれなので、もし何かリリースされたらプレイしたいな~、くらいの感じのあれでひとつ。

8月

グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で(フリーゲーム)

RPGツクールMV移植版をプレイ。こちらで無事クリアした今だから言えるのですが、実はわたくし、前に出たRPGツクール2000版の方は序盤で詰んでまして……。世界観やキャラクターには惹かれるものを感じたのですが、ザコ戦全スルーで進めたところ最初のボスが倒せなかったか、倒せたけどギリギリのボロボロだったか……その辺ちょっとうろ覚えですが、いずれにせよザコ戦全スルーでこれ以上進めるのは厳しいなということでプレイを断念した次第。

一方MV版の方は、通常のザコ敵の他にエンカウントシンボルが赤色の強い敵が居て、倒すと装備品を入手可能。この敵だけを倒してあとは全スルー、またレベルアップが任意なので一切上げないという進め方だとちょうどいい歯応えで、装備品で戦闘スタイルをカスタマイズするのも楽しかったです。

戦闘はゲージの溜まったキャラクターから行動する準リアルタイム型で、装弾数とリロードの概念のある銃やバフスキルなどを駆使して戦う2人パーティでの戦いが面白く、グリムはゲージの上昇速度に影響する敏捷と装弾数、フィルマはバフの効果量を重視した装備を行い、銃を撃ちまくるのが基本戦術でした。装備のスロットが多いのでカスタマイズの幅が広いのがいい感じ。極振りが捗る……!

そしてストーリーやキャラクター、世界観。……しみじみと良い作品でした……。物理的にも社会的にも息苦しさを感じるような海底世界という舞台と、それでも確かにある冒険のワクワク感が合わさって独特の雰囲気を生み出しているというか。作中で直接、あるいは回想で描かれるのが閉鎖的な社会である一方、その外には拓かれた世界があることが示唆されるという対比が趣深く、そこに魅せられた人々それぞれの辿る道もまた心に染みるもので……。ネタバレになるのであまり細かいことは言えませんが、余韻のあるラストにしばし放心していました。

そうしたストーリー等を演出するビジュアル面も素晴らしく。イベントシーンでのスチルしかり、サイドビューの戦闘画面のキャラクターアニメーションしかり。フィルマ(ヒロインの少女)が術を使うときに両手を広げて髪がぶわっとなびくのがめっちゃいいんですよね……。フィルマ可愛いよフィルマ。……いやほんと、フィルマがね、可愛いんですよ……。

9月

Choir::Nobody(フリーゲーム)

パーツによるロボのカスタマイズがアツいRPG。ノンフィールド……というかADVに戦闘パートが付いている、という方が個人的にはしっくりくるかな。ゲーム内容については上記の紹介記事でおおむね語り尽くしたので、個人的な感想記事であるここではブレードはロマンという点について語っていきたいと思います。

本作ではスキルツリーの内容は最初から全部見ることができ、購入できるパーツのラインナップも最初からすべて揃っています。とくに自分は稼ぎ戦闘を一切しない縛りでプレイすると決めたので、最終的にどういう機体にするかを見据えた成長・購入計画が大事。

というわけで色々見ていたのですが……ブレードの命中率が高くて15%、ものによっては5%(!)、そしてスキルの方には攻撃を必中化させる「心眼」が……こりゃもう「心眼とってブレード振れ」ってことでしょう!?

……というわけで、節約しながらちょっとずつお金を貯めてスキルツリーを解放してって、終盤近くでいよいよ心眼習得、そしてレーザーブレード「魅天0式」購入!ぼくの最強ヴァーミリオンが完成した瞬間であった。ロボカスタマイズゲー最高!!

……ブレードは極端な例ですが本作は命中率の概念を活かしたゲームデザインが面白かったです。命中率が低いけどヒット数が多いマシンガンとかもあって、「心眼」を取るスキルツリーの途中で取れる「集中」(命中率30%アップ)と組み合わせると結構いいダメージソースになったりとか。RPGの命中率、色々言われることもあるけどうまく扱えばやっぱり面白くて(みたいな雑談を以前本ブログに書きました)、本作はうまくいった例だと思っています。

他の機体については、ハマルティアは使用間隔も必要エネルギーも大きいけど威力は絶大なイデアライフルをメインとして運用。まさに主砲という感じでした。ノーバディはひたすら盾と回復を担当。そんな感じで自分なりにカスタマイズした機体で戦うのが本当に楽しかったです。ボス撃破記録などもつけてみたり。

ストーリーも電脳世界もの、人類滅亡しかけ系SFとしてアツく、ヒロインもそれぞれに魅力的でした。夢の中で思わせぶりな台詞を語る片翼天使とかいいよね……。と言いつつ、やっぱりわたくしはリゼリア派です。

エーテルコード(フリーゲーム)

コマンドバトルながら格ゲーのようにコンボを決めていくのが楽しい同人RPG『星樹の機神 プラネットルーラー』(窓の杜で書いた体験版の紹介記事 )のサークルさんの新作。プラネットルーラーのシステムをさらに発展させたような感じで、何より他のパーティメンバーとコンボを繋げられるようになったのが嬉しい!

1回の行動機会において、コストの範囲で技を出していく感じですがコストの限界値もどんどん増えていくので、数十ヒット、数十万ダメージとか出していけます。演出もド派手で爽快感のあるゲームでした。

いっぱい装備できるパッシブスキル的な「コード」によるキャラクターカスタマイズも面白い。同じコードの複数装備はできませんが上位互換のコードはあるので同種のもので固めて極振りしたりも。クリティカル率とクリティカル時のダメージ上昇率を上げまくったらヤバいことになったり。

このサークルさんは1つの世界観でさまざまな作品をリリースしてく構想があるようで、そういうの大好きなのですが今回はプラネットルーラーから1000年以上前の話ということでシナリオ面も興味深かったです。良い意味で重めの余韻が残るラストで、年代記のある1点にフォーカスしたような趣もありシリーズ全体への期待もさらに高まりました。あとアヤカさんが御麗しい……。

新しい作品もプレイしたいけど、プラネットルーラーのリメイクを……という話も以前されてたような気もするので、このシステムでプラネットルーラーというのもやってみたくもありますね。あとエーテルコードも有料版の予定があるっぽいのですが、コスト度外視で夢を語るとやっぱりこれでプラネットルーラーみたいにドットアニメーションがあったら最高だろうなぁ……。

スーパー余談ですが、演出がド派手なぶん、少なくとも公開当時のバージョンでは5年くらい前のオンボードGPUでは演出中にめっちゃ処理落ちして気持ちよくなかったので、(&そろそろ買い換え時かなという気もしていたので)この機会にPC買い換えちゃいました(新PCとかの感想記事)。別途ゲーム用のPCもあるのですが最近はそっちを起動して切り替えるのが億劫で、バリバリの3Dゲー以外は普段使いの小型PCの方で済ませちゃいたいんですよね……。あ、ちなみにゲームの方はその後のアップデートで軽量化も図られた模様です。

10月

かってにバトル勇者(フリーゲーム)

事前に条件と行動内容をセットして、戦闘自体はフルオートという作品。フリゲなどでそこそこ見かけるシステムですが、本作はセットできる行動が3つまでだったり利用できる条件がそこまで複雑ではなかったりと、この手のゲームの中では比較的気軽にプレイできる感じ。最大で3キャラによるパーティ戦闘となるため普通のRPGっぽい役割分担が結構大事だったりもします。

難易度自体も比較的易しめですが、稼ぎ戦闘と回復アイテムの使用を縛るとラスダン~裏ボスあたりはなかなかの歯応え。バフ・デバフを駆使して試行錯誤していくのが楽しかったです。

11月

アムネジアヒーロー(フリーゲーム)

1vs1ノンフィールドローグライク、1vs1ノンフィールドローグライクだ!いろんな要素が削ぎ落とされている分、コアのコンセプトがより深く刺さってくることが多いジャンルですが、本作においては「システム(コマンド)自体のロックを解放してできることを増やしていく面白さ」「アイテムや装備品同士のシナジー」というのをとくに感じました。

1周のボリュームは程々で、パラメータの成長もいろんなビルドを試す余地があって周回も楽しかったです。序盤で良い装備品を入手できたらこれを活かす形でパラメータを伸ばしていくというやり方が基本だったかな?

ストーリーは前作『アンダーグラウンドヒーロー』(もぐらゲームスで書いた紹介記事)の番外編的なもので、正直前作未プレイだとちょっと内容を掴みにくいかな~?とは思います。ゲームとしては別物なので気にせずプレイしても全然オッケーだとは思いますが……個人的には、興味があれば前作も是非とお勧めしたい!こっちは様々な戦術要素のシナジーがアツいパーティバトルです。

姉妹の冒険(フリーゲーム)

サイドビューの戦闘アニメーションがめちゃめちゃキレがあって格好いい作品。前作『三姉妹の冒険』(窓の杜で執筆した紹介記事)が好きだったので、その続編ということで楽しみにしていました。

前作の三人姉妹に助けられた二人姉妹が本作の主人公。作者さんも書かれているように本作からのプレイでも問題ないと思いますが、前作を知ってると結構ぐっと来る場面もあったり。あの二人がこんなに立派になって……。もう一組の姉妹も登場し、タイトル通りの姉妹ゲーとなっていました。

パーティは最終的に5人になるのですが戦闘への同時参加メンバーは3人。戦闘中に編成変更が可能ですが一度変更すると再変更できるのは数ターン後。バフ・デバフ技や攻撃スキルの属性相性などキャラクターごとの役割分担がはっきりしていて、状況に応じて交代しつつ戦っていくのがアツい。

前作同様、パーティ共有のリソースを振り分けて行う武器の強化や、4つまで装備できるアクセサリ的な装備品によるキャラクターカスタマイズも楽しい。ダンジョンもひとつひとつはコンパクトでバラエティに富んでいる感じで、ボリュームとしては短~中編ながらRPGとしての面白さが凝縮された良作だと思います。

12月

アスクギア(有償同人ゲーム)

個人制作の長編RPG、という括りにおいてはこれまでのRPGプレイヤー人生において5本の指に入る「Princess Saviour(プリンセスセイバー)」の作者さんによる最新作にして初の有償作品。めちゃめちゃ楽しみにしていました……という割にはプレイが遅くなってしまいましたが、大きめのアップデートが予定されていたのでそれを待っていたり、そうこうしてるうちに時間が取れなくなってしまったりで。ともあれ、2018年を締めくくる作品となりました。

内容については流石に、紹介記事と感想記事でおおむね書ききったかな……あとはネタバレになりそうな後半のストーリーの話とかくらいなので。とにかく、ド王道で、ボーイ・ミーツ・ガールで、過去作品と同様に序盤から撒かれてた伏線が収束して「おおっ!」となったりで、世界観の作り込みもそういうの好きな人として大満足で、そしてクライマックスの盛り上がりがもの凄かった!

ネタバレにならない範囲だと、僕は前編の感想記事に書いたようにエスティアさんの大ファンなのですが、後編になって格好良くて頭も切れて懐も深くてパーフェクトな女性……という面だけでない弱い面も(前編でも一部チラっとは見えてたけど) 見えてきて――もっと好きになりました。

女性も男性もメインキャラもそれ以外も、本当にキャラクターが魅力的な作品で、ヒロイン格のキャラクターも複数居る作品ですが……個人的には(あくまで個人的には)やっぱり、ミイナがメインヒロインかな!これはもう最初の出逢いからずっとブレませんでした。

自分としては、個人制作のRPGにおける金字塔たりえる作品だと思っています。ただまあちょっと、ゲスト的なキャラクターの内輪ノリっぽくも感じる扱いとか、一部のアクの強い要素は苦手な人は苦手かなとは思いますが……。勿論合わなければ無理にプレイする必要はありませんが(合う合わないは体験版の範囲でおおむね判断できる……かな?)、その辺の良くも悪くも同人っぽいテイストはコンシューマ化の際にはアク抜きされるのではないかと思いますので、その際には改めてより広いプレイヤーにお勧めしたいですね。

……いや、コンシューマ化されるというのは何も決まった話はなく僕が勝手に妄想しているだけなんですが。いやーでもマジでそれだけのポテンシャルはある作品だと思いますので興味のあるパブリッシャーさんが居ましたらぜひ……(1プレイヤーがこんなとこに書いても仕方ないんですけど)

振り返ってみて

今年も昨年同様、色々と部門別に特に良かったものとか挙げていこうと思います。

独自のシステムが凝ってて面白かった作品

  • カルエナダンジョン
  • Element Zero
  • アスクギア
  • アムネジアヒーロー

ユニークな独自戦闘システムという面では、シンプルでありつつ奥が深いカルエナダンジョン、めちゃめちゃテクニカルに凝ったElement Zeroと、それぞれの面白さがありました。カルエナダンジョンは本当に、純粋にアイデアの面ではここ数年で一番すげーと思ったRPGでした。

アスクギアの戦闘は既存のCTBに色々と味付けをした感じですが、それぞれの要素の組み合わせ方や調整が本当に凝っていてRPG哲学的なものを感じるものでした。紹介記事にも書きましたが戦闘以外も含め、コンセプトレベルから細部まで「何となく」「慣習だから」で実装されていると感じる要素が全くないなと思います。

ターン制コマンドバトルならではのバトル調整の妙を感じた作品

  • 和風面子だけでばとる
  • 神の切り札
  • セレナと魔物の古城

いわゆるツクールデフォ戦ベースですが、スキルや敵の行動などの調整で面白い戦闘を作れる、今でも十分ホットだよね!と感じられる作品達でした。

装備やパラメータ強化などのキャラクターカスタマイズが面白かった作品

  • 神の切り札
  • Element Zero
  • グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で
  • Choir::Nobody
  • アムネジアヒーロー
  • 姉妹の冒険
  • アスクギア

激アツ展開がアツかった作品

  • ティルキッス ~Princess Shade~
  • 人類滅亡後のPinocchia
  • Choir::Nobody
  • アスクギア

人類滅亡後のPinocchiaは熱血的な意味でのアツさとはまた違うのですが、文章を読み解いていくとおもむろにブワっと来る感じ。あとラスト。

切ない展開などでリリカルな良さみを感じた作品

  • ティルキッス ~Princess Shade~
  • 人類滅亡後のPinocchia
  • グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で
  • アスクギア

人類滅亡後のPinocchia、前項とこっちのどっちに入れるか悩ましい感じなので両方に入れたった!

ビジュアル・サウンド等の演出面が良かった作品

  • ティルキッス ~Princess Shade~
  • Element Zero
  • 人類滅亡後のPinocchia
  • グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で
  • エーテルコード
  • 姉妹の冒険
  • アスクギア

例によって無限に枠を作れて終わらないのでこの辺で~

番外編:RPGみを感じるゲーム

RPGじゃないんだけど個人的にRPG的なエッセンスを感じるゲームをどさくさに紛れて紹介しちゃうぜ!

フロースラントの魔法屋さん(フリーゲーム)

ゲームコンテスト「第10回WOLF RPGエディターコンテスト」参加作品。錬金術師見習いの主人公が合成したアイテムを売って稼ぐお店経営シミュレーションゲームです。冒険者に依頼して素材を取ってきてもらう要素があり、その辺にRPGみを感じました。錬金RPGのRPG部分を抽象化したというか。

経営SLG自体、どちらかといえば苦手なジャンル(細かい数値管理が苦手……)なんですが本作は比較的シンプルな作りでUIも明解で、いつでもセーブできリトライが容易なので試行錯誤しつつ楽しくプレイできました。かなりカツカツ、ギリギリでしたが何とかクリア。クリアに必須ではないチャレンジ目標的なものと思われる「賢者の石」も作れました!必要な素材を得るのに、数カ月先を見越した計画が必要になるのがシビアながら面白かったですね。

あと本作には友好度の概念があり、これを消費することで冒険者への依頼を値切ったりできるのですが、自分はこれを一切使いませんでした。いやあね、お金が厳しいときはちょっとくらいは……と思ったのですが、こんなこと(下の画像参照)言われたら値切れないじゃん……やっぱ正当な対価を払わなきゃってなるじゃん……。

という感じで半ば縛りプレイじみた感じになりつつ、それなりにうまいことできたのではないかと思います。自分の得意ジャンルでないことを別にしても難易度自体はそこそこハードだったようで、自分のクリア後のアップデートでより優しい難易度が追加されました。

グラフィックなどファンタジーとしての雰囲気もよく、楽しくプレイできました。SD絵がね~また可愛いんだこれが。

空っぽな少女の見た世界(フリーゲーム)

ゲーム投稿イベント 「ウディフェス外伝(10分ゲー)」参加作品。1プレイ10分以内という制限時間のある、周回前提の探索ADVです。ゲーム内に引き継ぎ要素があるわけではなく、プレイヤー自身の経験をアップデートしながら攻略していく感じですね。

記憶を失った少女が限られた時間の中で記憶を取り戻していくという内容で、徐々に世界と自分の真実に触れていくのが面白く、そうして見えてきた世界観もめっちゃ好きなやつでした!RPGみを感じた部分もその辺に絡んでいるのですが、ネタバレなので詳細は言えねぇ……。ともあれ、終盤の展開が激アツでした。BGMの選曲も作品の雰囲気をうまく演出していて、かつ私の好みにあっていて良かったですね。

番外編:サービス運営型アプリゲーム

この記事は「クリアしたゲーム」を対象にしているため運営継続中のサービス運営型アプリゲームは載せていないのですが、どうしても書いておきたかったので番外編として。

メギド72(基本無料・アイテム課金)

2017年12月のリリースから、ずーーーーーっとハマりっぱなしです。最初に戦闘システムに惹かれて、ストーリーやキャラも素晴らしくて。サービス開始日から今まで連続ログイン継続中。もはや人生の一部。表層的な要素に惹かれただけなら何かしらの理由で冷める可能性もありますが、もっとゲームとしてのコアの部分、コンセプト的なものに共感しているので、(サービスが続く限りは)一生プレイすると思います。

もっともそれも、しっかりプレイする時間が取れないときは攻略チケットでスタミナ消化できるからこそだと思います。常に張り付く必要があると、少なくとも自分の場合は煩雑に感じてしまって長くは続かなかっただろうなと……。

このブログに紹介記事も書いたのでご参考まで。PvPも仕事が忙しかったりでしばらくプレイできないと禁断症状を感じるくらいハマってるのですが、そちら関係の記事は今見返すとパーティ構築が甘くて恥ずかしくなるのでリンクは張りません……(汗)

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