昨年12月にサービス開始されたスマホRPG『メギド72』。事前登録をしていた頃に存在を知ってシステム紹介を見て結構気になって(まず事前登録の時点でしっかりとしたシステム紹介がある時点で好印象……)、BGMを試聴して「めっちゃ格好いいな!」となってかなり期待していた作品です。
で、リリースされたのでいざプレイしてみたら戦闘システム(自分的にはここを最重要視)、キャラ、ストーリーとすべてどストライクで、しかもキャラクター育成で煩雑になりがちなオペレーションを簡略化する仕組みが尋常じゃないレベルで整っているため「キャラ管理疲れ」みたいのが発生せず、ここ数カ月間毎日、ほぼ熱中してプレイしています。(一方で、熱中する暇がない時のための仕組みも整ってるので安心。)
本記事ではそんな『メギド72』を全力で紹介していきたいと思います。ひとまず本文に入る前に、クエスト進行の様子とザコ戦を収録した動画を貼っておくので雰囲気など掴めればと。少し古いバージョンのものでUIなど若干異なりますが基本は同じです。
目次
おおむねこんな話をしています。
- 制覇済みのクエストはチケットで瞬間クリア!極限まで煩雑さを排した育成UI
- レアリティの概念がなくユニークな役割を持つキャラ達と、シンプルで戦術性の高いシステムによる唯一無二のバトル
- キャラのグラフィックがいい(特に3Dのモーションが格好いい&可愛い!)
- 音楽がいい(作品テーマ的な旋律が各所で使われるあれとか)
- シナリオがいい
制覇済みのクエストはチケットで瞬間クリア!極限まで煩雑さを排した育成UI
いつもの自分なら「戦闘システムがめっちゃ面白い!」という話から入りたくなるのですが、本作に関してはまずこちらから語りたいと思います。日々継続的にプレイする運営型スマホゲーにとって「プレイがめんどくさくない」って重要ですしね。
メギド72におけるキャラクターの育成では、各キャラにさまざまな「贈り物(進化素材)」をプレゼントして進化させ、レベルキャップを上げたり新たな能力を得ていくという、割とスタンダードな方式が採用されています。必要となる素材はキャラごとに異なるのですが……この素材集がめちゃめちゃやりやすい。というのを画像で紹介します。まずは各キャラの進化に必要な素材を取りにいくところまで。
で、ここからが非常にありがたいところなのですが、本作では戦闘不能者が居ない状態でクリアできたクエストは「コンプリート」扱いになり、「攻略チケット」というアイテム(それなりに潤沢に手に入ります)とスタミナを消費することでそのクエストを実際にはプレイせずにクリア扱いにできます。
素材の合成も非常にわかりやすい。
他にも細かいところまで非常に配慮が行き届いています。
きりがないのでこの辺にしておきますが、こんな感じの配慮が他にも隅々まで行き届いており、「既に余裕でクリアできるクエストの周回」「進化に必要な素材の細々とした確認」など、ゲームプレイの核となる部分からは外れた、単調作業の類をとことん省略できるようになっています。攻略チケットを使えるようにするため戦闘不能者なしでクエストをクリアするのがチャレンジ目標にもなっており、「今後楽をするために1戦はめっちゃ戦術とか考えて頑張る」という感じでプレイの緩急が付くのも良いところです。
実の所、攻略チケット(あるいはその他の「クリア済みクエストのスキップ機能」)や素材取得のナビゲートなどは最近始まった他のゲームでも見かけることがあり、これからのスタンダードになっていくのかなという気はしています(なるといいよね……)。なかでもメギド72は「その手のシステム全部入り」という印象で、しかもバージョンアップにより元々十分良かったユーザビリティがさらに向上し続けています。自分自身はメインでがっつりやり込んでいますが、時間がないときは「チケットでひとまずスタミナ溶かしとこ」みたいなことができるのでサブで遊ぶゲームとしてもお勧めです!
レアリティの概念がなくユニークな役割を持つキャラ達と、シンプルで戦術性の高いシステムによる唯一無二のバトル
というわけでいよいよ戦闘の話。最大5人のパーティで戦うターン制のコマンド型ですが、場へランダムに出る3種類の「フォトン」をキャラまでドラッグしてキャラの上に置くことで行動するというシステムが特徴。取ったフォトンに応じて通常攻撃やスキルを発動したり、キャラごとの「覚醒ゲージ」を上げたりできます。覚醒ゲージがフルの状態で通常攻撃のフォトンを置くと強力な「奥義」を発動できます。
キャラはそれぞれ個別のスキルと奥義、あと詳細は割愛しますが覚醒ゲージがフルの時に使える「覚醒スキル」(進化で習得)を持ち、攻撃やバフ・デバフ、回復、或いはそれらの複合などそれぞれの役割を持っている感じです。キャラにレアリティの概念がないのもポイントで、ステータスによる差別化ではなく一人一人がユニークな存在であり、取りたい戦術や他のキャラとのシナジーなどを考えてパーティを編成していくのが醍醐味です。
場のフォトンは「味方と敵のパーティで交互に取り合う」のもポイントで、自分がしたい行動に繋がるフォトンを取るのはもちろん、敵に取られたら痛いフォトンを取らせないのも重要となります。敵もスキル・覚醒スキル(無いときもある)・奥義を持っており、敵がどういう技を使うかの情報はオープンになっている(敵の長押しで見られる)ので、これを見て戦略を立てていく感じです。
「1人3つと決まった技を持つキャラを組み合わせてパーティ編成」「敵味方で場のリソースを取り合って行動」「行動内容は公開情報」というあたり、対戦型のカードゲームっぽい雰囲気を感じたりもします。
「シンプルで奥深い」というのは常套句すぎて陳腐化してしまっているフレーズですが、でも3種類のフォトンをキャラに割り振るという操作だけで幅広い戦術を繰り広げられる本作のバトルを一言で言うならこれなんだよなぁ……とかなんとか。
……戦闘についてはこれでもだいぶ端折ってて、もっと色々語りたいのですが記事のボリュームがやばいことになってしまうので、後日別途「メギド72の戦闘システムがターン制コマンドバトルの理想系の一つとして、いかに面白くアツいものであるか」という記事を書こうと思います!なので今回はひとまずここまで。(追記:書きました~!)
キャラのグラフィックがいい(特に3Dのモーションが格好いい&可愛い!)
キャラのイラストは進化によって2回大きく変わります。実は自分、特定のキャラを集中して育てるより全員均等に育てる方針なので、まだ最終進化で変わるイラストは(自力では)1つも見ていないのですが、1回目の変化でもそれぞれの決めポーズ、という感じでなかなかぐっと来るものが結構あります。
また、戦闘は3Dなのですが、この3Dモデルがかなり作り込まれています。リアル系とデフォルメ系の中間……くらいの雰囲気で、いい意味で漫画っぽさを感じたり。とくに各種の攻撃や勝利時のポーズといったモーションが、キャラがいっぱい居るゲームなのに一人一人めっちゃ作り込まれてるんですよ……。
音楽がいい(作品テーマ的な旋律が各所で使われるあれとか)
これはもう、実際に聴いていただくのが一番ですが。というわけで改めて、公式サイトの音楽試聴があるページへのリンクなど。
特にお勧めは「魔を統べる少年」です。こんな格好いい曲が通常戦闘曲なんですよ……。
あと、システム紹介動画の40秒目くらいからの曲もお気に入り。シナリオの各エピソードクライマックス、主人公達が決意を固める……みたいな所でよく使われる曲です。
この曲もそうなのですが、作品のテーマと言えるような共通の旋律が、さまざまにアレンジされて各所で使われているのも魅力。わたくしこれ大好きなんですよ……。ストリングスとピアノ中心という鉄板のタイトル画面曲、ジャズっぽい女性ボーカル、戦闘曲……本当にバラエティ豊かです。
ゲームの進行により、クエスト選択画面の曲(フィールド曲に相当する感じ)や通常戦闘曲が変わっていくのも豪華。とくに初期配信分のシナリオの終盤に入ったあたりで変化する通常戦闘曲が「コンシューマRPGで最後の大陸に上陸したときの曲」っぽさ抜群で、なんかもうただのザコ戦でめっちゃ感慨に浸っちゃったりしていました。
シナリオがいい
以下、紹介というよりほぼ感想っぽい内容になっちゃいました。あと後半ややネタバレ気味。具体的な内容ではなく大まかな構成面の軽いネタバレという感じではありますが。さておき、この記事はこれが最後の項目なのでネタバレが苦手な方はここで閉じていただければと……。
というわけでちょっと間を置いて。えー、よろしいですか。よろしければ続きをどうぞ。
本作のざっくりとしたストーリーは、異世界「メギドラル」から追放されて主人公の住む世界「ヴァイガルド」に転生(みたいなもの)してきた「メギド」という種族の人達が、主人公と共にメギドラルの陰謀を阻止するため旅をする……といったもの。追放されたメギド達は今は普通の人間の体ですが、主人公の持つ「ソロモンの指輪」の力で本来の力を発揮することができます。そのため彼らは主人公を探しており、出逢ったところから物語が始まる……という感じです。
個人的に好きなのは、「作戦会議パート」とでも言えそうなシーンが結構ある点。主人公達一行は序盤でどんどん仲間が増えて6~7人くらいのパーティになるのですが、対処すべき事態が起きたとき、 スタンスの違うメンバー達がそれぞれの意見を出したり、提案のメリットデメリットを確認して、ちょいちょい意見の対立とかもありつつ行動方針を詰めていく。そうした会話の中でキャラが立っているのが面白いのです。賑やかし的なキャラも居て緩急がついており掛け合いも楽しかったり。
あと、キービジュアルではいかにもメインヒロインっぽい雰囲気を醸し出している「シバ女王」の扱いも面白いなと感じたり。こういうゲームのお約束的に主人公についてくるのかなと思いきや、彼女には彼女の手勢があり、それぞれの立場や想いで行動していきます。主人公とは色んな意味で対となるような存在で、協力したり対立(じゃれ合いのようなものから、本気で思想がぶつかり合うようなものまで)したり。それでいてここぞという時には助っ人に来たりするのもアツい。個人的にはヒロインというよりダブル主人公のような趣を感じます。(スマホゲーのヒロイン格キャラの扱いとしてそれでいいのかという話はさておき……。)
全体的な構成の話としては、ややネタバレになってしまいますが……サービス開始時点で、メインストーリーが「完結」していたのも個人的に好印象です。いやまあ、そうは言ってもスマホゲーなので続きが配信され続けはするのですが。第一部完、というよりは1作目が完結くらいの勢いで、今配信されているストーリーが続編序章という位置付けだと個人的には感じています。「話を綺麗に閉じられる」のを見せて貰えると安心感があるし、あとぶっちゃけ「初期配信分だけでサービスが終わってもプレイヤーに悔いが残らないように」という配慮もあったんじゃないかなーと思ったり。そういうゲームにこそ長く続いてほしいのだわ……。(ちなみに先日公開されたインタビュー記事によるとラスボスとそこまでのストーリーの大枠はできているらしい!)
その初期配信分のストーリーですが、辺境からの旅立ち~王都防衛戦~未開の荒野で世界の真実に触れたり超兵器が出てきたりと、伝統的な長編RPGを思わせるもので、いかにもラスボス!という感じのボスも出てきたりと、数十時間級のコンシューマRPGをクリアしたかのような充足感がありました。(暫定)ラスボス戦BGMがまたメインテーマの壮大なアレンジといういかにもな感じで、これまでの旅路を思い起こしちゃう感じで……。
世界観もどっしりとしたハイファンタジーで、その世界観から外れるような会話などは(少なくともメインシナリオでは)抑えられており(堅苦しいわけでは全然ないですが)、そういう意味では安心して読めます(展開自体はなかなかにハードだったりしますが)。旅の仲間達が、あれやこれや言いつつもお互いを尊重している感じが伝わってくるのも好印象で、とくに主人公がメギドという異種族とのギャップに戸惑ったりもしつつも、種族どうこうよりまず仲間である、というスタンスで、そんな主人公だから周りも認めていく……みたいな流れがアツかったり。自らの力も含め何も知らなかった主人公が世界を知り、追放されたメギド達を率いる者として成長し、決断していくという流れも胸が熱くなるものでした。
「王道RPG」というのもまぁ、最近ちょいと濫用されがちのフレーズではありますが、本作は掛け値なしに「王道RPG」と呼ぶに相応しいと感じています。具体的にはPS2時代くらいのコンシューマRPGのような風格を感じます。本作、DeNAとメディア・ビジョンの共同開発でして、メディア・ビジョンと言えば『ワイルドアームズ』シリーズ(大好きな作品です)の開発元。ワイルドアームズの中心スタッフが関わっているわけではないのですが、やはりどこか近い匂いを感じたりもしました。とくに初期配信分のシナリオの終盤が荒野を旅する感じなあたりとか、技名のセンスとか……。
キャラごとに存在するサイドストーリーみたいのも、内容はキャラによりけりですが結構読ませる話が多いです。面白いのは、こういうのって得てしてキャラのレアリティによって話数が決まってたりとかするものという気もしますが、本作の場合はまずキャラにレアリティがないのでそういった違いはなく、話数はキャラによってまちまちです。純粋に「そのエピソードを語るのに必要となるボリューム」から決まってる感じ。プレイヤーのリソースを使って開放するタイプなのに思い切った事をするなあと思います。まあ、流石にメインシナリオ登場キャラクターの話は話数が多めですが。
他にもこう、主人公達も手持ちの判断材料の範囲で十分最善と言える判断をしたけど「攻める側の情報優位」により一歩及ばず救いきれない……みたいなもどかしさとか、ステレオタイプな狂信者と思われた集団のやっていたことが「認められるかはともかく、目的と手段は噛み合っていた」みたいな何とも言えない結末に至ったりとか、シナリオで好きな所は色々あるのですがきりがないのでひとまずこの辺で!
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