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『バカスクリニック そのよん』感想&キャラ語り 一人一人に独自システムがあるかのようなユニークなキャラが12人!

『バカスクリニック そのよん』感想&キャラ語り 一人一人に独自システムがあるかのようなユニークなキャラが12人!

VIPRPG紅白2019作品のRPG『バカスクリニック そのよん』をクリアしました。以前このブログでも感想を書いたVIPRPG紅白2015作品『アイマス』の作者さんの作品です。

『アイマス』のプレイ後、過去作にも遡ったり、またその後出た作品も確認できたものはだいたいプレイしたと思いますが、どれも面白かったです。いくつか抜粋して特徴的な要素をご紹介。

  • ふつうファンタジー
    『アイマス』よりも前の作品。8人のキャラから3人パーティを組む形で、経験値はパーティ共有となっており自由な育成と編成を楽しめるのが特徴。
    (難易度Hardのザコ戦縛りでクリアしましたが、また別の縛り方も教えてもらったのでもう1周予定、だったのですが未だ着手できず……)
  • baka30
    比較的最近の作品。使えるスキルが変化したり装備品の効果が全体化したりといった、モードチェンジとも言えるようなオリジナルの状態変化を駆使するテクニカルなバトルがアツい。同様にボスも固有のギミックが満載でした。
  • 「バカスクリニック」シリーズ
    ウィンディとやみっちが主人公の作品。タイトルの通りバカゲーっぽい面も多い作品なんですが、友情物語として結構ぐっと来ることもあったりとか。
    戦闘は初代と「そのさん」にあり、最大HPが1のウィンディがどう戦うのかについて作品ごとに独自のアプローチがなされています。今ならbaka korekutionでまとめてプレイできます。

『バカスクリニック そのよん』は、システム的にこれらの過去作で面白かった要素の集大成のようにも感じました。まずねえ、戦闘画面が面白そうなんですよ。

ツクールRPGを知ってる人ほど、「なんか珍しげなものが色々あるぞ」「ていうかその欄をゲージとして使うの!?」とワクワクするんじゃないでしょうか。僕はしました。

システム面、ざっくりまとめるとこんな感じです。(以下、話をわかりやすくするために、敢えてゲーム内の用語ではなく自分の解釈に基づく用語使いをしていることがあるので、ご注意ください。)

  • パーティメンバーとなるキャラクターは12人、そこから3人選んでパーティ編成
    • モードチェンジや独自のゲージなど、殆どのキャラクターが何かしら固有のシステムを抱えていると言えるほど、一人一人が本当にユニーク
  • 経験値がパーティ共有で好きなキャラのレベルを上げられる
  • スキルはポイント消費で習得し、その中からアクティブ2つパッシブ1つをセットして利用可能
    • スキル習得に使用するポイントも共有
  • キャラクター編成×各キャラのスキルセッティングで、状況に応じた戦闘スタイルをカスタマイズする感じです
  • 作者さんおなじみのボス残機制も健在!ボスの段階変化がわかりやすい
  • そのほか戦闘のデザインが全般的にわたくし好み
    • 防御力の概念なし。物理攻撃や魔法攻撃が効きにくい敵、というのはそれぞれに対する「耐性」という形で表現されます。これすごく合理的な調整だと思う
    • 状態異常は「効く」or「全く効かない」のいずれか
    • 武器の効果が攻撃力加算ではなく、攻撃力に対する係数として設定されているのも合理的だと思いました。多くの武器には特殊効果が備わっており、効果と威力の兼ね合いで選ぶ感じになりますが、その比較検討がしやすい。また登場時期で極端に威力が変わらないので純粋に特殊効果で選んだりしやすい
    • キャラごとに攻撃の威力を上げるようなシステムが色々揃ってる一方で、汎用の攻撃バフみたいのが無い(はず)のも良い調整だと思いました。あったらそっち使えばいっかーで戦術が画一化されちゃいそうですしね
    • とにかくねぇ、いろんな仕組みが「理に適ってて気持ちいい」んですよねー個人的に

ボスなどの強敵もそれぞれ色んなギミックを抱えているので、それに対応する形で毎回のように編成変更をすることになり、パーティが固定化されることはほぼありませんでした。

キャラクターが多い分、一つの対応すべき状況に対して複数のアプローチが考えられるのも面白いところです。たとえば全体物理攻撃が怖い敵なら、全体に物理耐性を持たせるか(その方法も2つくらいある)、そのターンの被ダメージを半減するバリア的なスキルを使うかとか。プレイヤーごとに編成から変わってくるような、自分なりの戦術を立てているという実感を持てるゲームでした。

お話的にも今回は結構なボリュームで、小ネタや軽妙な掛け合いも魅力ですが、全体的には割とシリアス寄りで、アツいシーンも色々と。個人的な感触としては、「ギャグ8割の少年漫画原作アニメが劇場版でシリアス展開になるやつ」みたいな趣を感じたり。これまでのお約束的な設定がキャラクターを形作るバックグランドとして綺麗に回収されたりもしました。

ちなみに過去作やっておくべきか問題なのですが、これは結構悩ましい。システム的には今回、独特な要素に関するチュートリアルやヘルプが充実しているのでシリーズ未体験なら本作からのプレイをお勧めしたいくらいなのですが、キャラクターはこれまでの作品のキャラが集結!みたいな感じなので(『アイマス』のキャラも出るぞ!)。ただ、本作で起きる事件自体は新キャラクターを中心とした独立したお話なので、本作をプレイしてキャラクターが気になったら過去作へ遡るというのもアリかなと思います。そういう意味でもやっぱ劇場版っぽいな~。


と、いうわけでここからが本題なのですが(作品自体の感想はさらっと済ますつもりだったけど語り始めるとやはり止まらんくなってしまった……)、キャラごとの固有のシステムが面白いので、よく起用していたキャラを中心にキャラ語りなどしていこうかと思います!

なお、初期状態では別のスキルの習得を条件にロックがかかっている(効果も確認できない)スキルも言及したり見せたりしちゃうので、気になる方はご注意を。あと、キャラクターカスタマイズ例も載せていますが、敵によってどんどんセットするスキルとか変えていくゲームなので、最終形態ではなくあくまで典型例です。

あとあと、人物面について言及してる人としてない人がいますが、気の利いた紹介が思いつくかの違いだけでみんな好きですよ!(関係性でキャラが立つみたいなのも多いので個別だと言及しにくかったりも)

メリッサ

うちのメインアタッカー。最大4まで溜められる「残刃」を消費して強力な物理攻撃スキルを使えるのが特徴です。

この残刃の溜め方と使い方に多様性があって、残刃を一気に増やすスキル、攻撃しながらちょっと増やすスキル、戦闘開始時に残刃を増やせる武器(ただし威力は高くない)、攻撃スキルで消費する残刃を減らせるパッシブスキル、溜まってる残刃数に応じて攻撃力が上がるパッシブスキルなどがあります。

開幕から速攻をかけるか、しっかり準備して超絶火力を叩き出すか、安定してそこそこの火力を維持し続けるか……などなど、状況によってセッティングの最適解が変わってくるのが面白いのです。また、攻撃スキルにも単体対象と全体対象の両方があり、幅広い場面で活躍してくれました。

キャラクターとしてはウォーターと共に、ウィンディのお姉さん的な立ち位置。踊り子らしいしなやかな立ち回りでパーティの潤滑油といった印象でした。決戦の地に向かう途中のイベントのパンイチとのやり取りとかかなり好き。

ヒール

大まかにはヒーラーですが、単純な治療以上にユニークな役割が、状態異常のコントロール。自身にかかっている(不利な)状態異常を敵に移すという唯一無二の攻撃スキル「執刀」を持っています。

味方の不利状態異常を自身に移すスキル「献身」や、物理攻撃を事実上無力化させる状態異常を喰らっていても執刀を当てられるようになるパッシブスキルなど、応用のためのスキルもあり。行動を無力化してくるような敵の技を、そっくりそのまま返してハメるなんてムーブが決まったときはしてやったり感抜群です。

あとは不利じゃないもの(つまりは強化)も含めた状態異常について、味方一人に付与されているものを全員に付与するという動きもできて、使いこなすとテクニカルに立ち回れる……と思いますが、こちらは自分は未使用です。

(自分はザコ戦縛りで進めていたので、そうなるとスキル習得用のポイントも限られるため用意されているスキルをすべて使えたわけではないのですが、その中での取捨選択により自分なりのスタイルを構築していくのも醍醐味であると個人的には思っています。)

キャラクターとしてはウィンディの主治医で育ての親。冷静沈着で信頼できるお医者さんですがウィンディのことになると思い切りが良すぎたりちょい盲目気味だったり。たまにちょっとお茶目なのも好き。

チェルシー

魔法アタッカー。最初から使える、「習得可能な全パッシブスキルを適用する」という効果のスキルが非常にユニークで強い。ポイントを消費してスキルを習得するという過程、そして同時にセット可能なパッシブスキルは1つという制約を無視できてしまう、システムハック感がワクワクします。パッシブスキルの中には攻撃スキルの全体化があり、序盤で入手可能な魔力を大きく底上げできる武器も相まって、とくに敵が複数の場合に非常に頼れる存在です。

それだけの強スキル、代償もお高いんでしょう?ということで、使用すると最大MPが40%減となります。魔法アタッカーとしてはこれは確かにかなり厳しい……と思いきや、適用されるパッシブスキルの中には「消費MP1/2」があるんですよ……あれ、差し引きで得してねぇ?こういう「コストの踏み倒し」みたいの、アツいっすね……!

終盤以降は単体高火力を重視することが多かったので出番は減りましたが、中盤まで大活躍してくれました。

ブライアン

セットすることで物理耐性・魔法耐性・状態異常無効のいずれかの効果をパーティ全体に適用するパッシブスキルが特徴。防衛の要といったところです。さらにこのパッシブスキルを付け替えるスキルを使える……つまり戦闘中にどういう守り方をするかを変えられるのが独自の強みとなっています。

ただしこれらのパッシブスキルが効果を発揮するには、「統率」という特殊状態が付与されている必要があります。基本的に戦闘開始時には統率が自動で付与されるのですが、これを消費して使用する強力な攻撃スキル「一点突破」(統率時にはパーティ全員の攻撃力を参照!)や回復スキルがあり、この使い所が悩ましい。ブライアンを起用する戦闘というのはすなわち全体の守りを固めたい場合が多く、統率解除という隙を見せると一気に崩されることもままあり……。てなわけで自分の場合は、他が倒れてもう後が無いというときに一点突破で最後の一押しを狙うことが多かったです。(戦闘不能のメンバーの攻撃力も参照するっぽい?)

ところでこの記事を書くために、ロックがかかってて取りそびれてたスキルもどんなものか見てみたのですが……うわ「影武者」つよいな!? 他者に対し消費されない「統率」を付与するというもので、これを使えば統率状態を維持したまま統率消費スキルを使えるやんけ……! うわー、ブライアン強いと言われてたのを小耳に挟んでいたのですが、真骨頂はこれかぁ!いや、影武者なしでも十分強くはありますが……。

余談ですが、統率という特殊状態名や、パッシブスキルを変更するスキル名が「密集」「散開」「方陣」と陣形変更っぽいことから、パーティの守り手ですが先頭に立つ盾役というよりは、指揮官のイメージ。なのでそのように認識してからは、パーティ内の並び順も先頭ではなく一番後ろにしていました(個人的なこだわり)。

キャラクターとしても、それぞれの思惑や因縁や成り行きなどがあって集った個人が中心の集団の中で、組織人としての視点を持っている数少ない人。とはいえ普段は気のいい兄ちゃんという感じです。ちなみにアイマスの主人公の弟のブライアンその人。

ウィンディ

我らが主人公にして、その最大HPは1。最大HPを上げる装備品もありますが、基本的には魔法攻撃無効かつ戦闘不能時に自動復活となる特殊状態「明滅」を活用していくことになります。

魔法攻撃のみの敵に対しては文字通り無敵だし、攻撃しつつターン終了時に明滅を付与するスキルもあるので、物理攻撃も1回までなら耐えられる。(パッシブスキル「ダブルブリンク」装備なら2回まで!)ぱっと見の印象よりずっとタフなのが面白いところです。ゲーム進行上必須ではない強敵で、彼女の存在が前提っぽいパズル的な敵も居たり。

「バカスクリニック」シリーズは彼女とやみっちがお互いに助け合い、ときにぶつかり合うお話でしたが、今回の事件の中心は彼女達ではありません。しかし、だからこそ、二人の関係性を越えて、誰かを助けられる存在になったんだなぁ……という感慨がありました。キャロルとのやり取りとかかなり好き。

本作でのキャロル自身もめちゃめちゃ格好いいんですけど、格好いいところは何もかんもネタバレ、という感じなので語れないのがもどかしい……。

やみっち

我らがもう一人の主人公。ピーキーな相棒と対照的に、比較的高めのHPでスキルは回復および攻撃+デバフ系を手広くと、バランスのよい能力で扱いやすいキャラです。全体回復スキルを使えるようになる武器も用意されているので、純粋にヒーラーとしてはヒール先生より扱いやすかったり。

もともと高めのHPをさらに上げられる武器を中盤に入手でき(全体回復スキルとの排他ですが←こういう択が発生するのが面白いんですよ)、さらには全体の物理耐性を上げられるパッシブスキルも習得可能と、起用するとパーティの安定性がグッと上がります。

魔法耐性あるいは状態異常無効シフトのブライアンと合わせると幅広い攻撃に対応できる鉄壁シフトに。まあこの場合攻撃の手が弱まるので使える状況は限られますが。でも二人とも通常攻撃でまずまずのダメージ出せたりするんですよね。

ポチ(スターライト)

本名スターライト、あだ名はライチ。……なんだけど連れのダモンがポチ呼ばわりでシステム上での名称までポチに。なんてこったい。

パーティ全体の被ダメージを1ターンの間半減する「シャインセイバー」と、同様に1ターンの間状態異常を無効化する「光の壁」が強力。敏捷も高いので大抵の敵に対して先手を取れます。

耐性と違って直接ダメージ半減なので物理も魔法も対応、しかも耐性は1段階につき33%カット(2段階まで)なのに対し半減(50%カット)。そしてアクティブスキルなので一人で物理・魔法ダメージカットと状態異常無効化を両立できます。

……その代わり、1ターンのみ有効なアクティブスキルなのでタイミングが重要。基本的に敵のパターンを読んでの運用となります。攻撃の手数が明確に減るのでそこを補う必要もあり。

また上記2つを含む魔法系のスキルを使い続けることでスキルのレベルが上がって強化されていく要素もポイント……なんですが、これがまた曲者で。シャインセイバーも光の壁もレベル4だと使えなくなってしまうのです。なので、これらのスキルをメインで使うなら、適当なタイミングで別の行動をしてスキルレベルをリセットする必要があったり。その隙を狙われると……

と、ややテクニカルですが、そこまでしてでもがっちり守りたい難所で大活躍してくれました。

ちなみにアイマス(トルゥーシナリオ)のスターライトその人です。元気にすくすく育ったね……。VIPRPGではやみっちとのカップリングが定番の一つですが、本作では「ライチ本人と」やみっちは初対面。ちょっとややこしい事情もあるのですがそれはさておき、本作の旅を経て普通に仲良くなったことが伺えるシーンもあったりで、なんてことのない会話なんですがこういう形に落ち着いたこと自体が感慨深かったり。

ウォーター

メリッサと共にウィンディのお姉さん的な立ち位置。ほんわかした雰囲気でパーティの癒やしでした。

能力面では全体状態異常回復スキルを持ち、「遊泳」状態になることでパッシブスキルにより敏捷2倍、ほとんどの場面で先手を取って回復が可能。……なんですが、中盤以降は状態異常はどちらかといえば防止していく戦術にシフトしたので出番が減りました。ほかにデバフも使えますが、どちらかといえば耐久しつつ火力で押してくのが自分の基本スタイルなのでそのあたりのスキルは未取得。

ヘレン

召喚によりパーティメンバーを増やす唯一無二のスキルを持っています。基本3人パーティのこのゲームで1人増えるのは非常に大きなアドバンテージ、なのですがそれでも即起用!とならないくらい他のメンバーもそれぞれに強いのでバランスが取れているという。

また、パッシブスキルで魔法全体化が可能。魔法は回復も攻撃もあるので幅広い立ち回りができます。マルチに活躍できる分、ステータスはそれぞれの専門家に比べるとやや抑えめな印象で、役割分担がカッチリしたパーティを組みがちな自分は中盤以降起用機会は減りましたが、手数が欲しいときなどにピンポイントに活躍してくれました。

ダモン


メリッサ同様、溜めたカウントを消費して強力な物理攻撃スキルを繰り出せる……のですが、ダモンの「魔剣」はカウントを溜めるのに最大HPを削って「抜刀」する必要があります。浪漫技ですなー。

しかし初期はHPが低めで、こういうハイリスクなスタイルを使いこなすのが自分は苦手なのであまり起用せず。レベルアップで多少は最大HPが増えて、さらに最大HPを増やせる武器を入手できたことでやっと本格的に起用できました。一応、カウントを増やせるスキルもあるのですが使うには一度は抜刀する必要あり。ままならぬ……。

ただこのゲーム、戦闘不能からの回復のコストがそんなに重くないので、ガンガン最大HPを削ってもうどうしようもなくなったらいっそ戦闘不能になってもらって復活させる(最大HPリセット)というのもアリっちゃあアリなのが面白いところ。

ちなみに魔剣は残刃と違い、使用コストが現在のカウント数以上の技も使えるという特徴があります。つまり魔剣のカウントが1のときに使用コスト3の技が使えちゃうという。別にカウントがマイナスになったりすることもなく、再び抜刀すればまた普通に使用可能。コストのちょろまかし、いいですね……。

自分はメリッサを主に起用していたのでメンバー集結してからはあまり出番はありませんでしたが、とある場面でとにかく初手火力を出す必要がありメリッサと二人がかりですっごいダメージを出したのは楽しかったです。

バーニィ

単体向けも全体向けも揃った、(効果自体は)シンプルに使いやすい攻撃魔法を扱う魔法アタッカー。ただし魔法を使うと「誘爆カウント」が上がっていき、5になると「誘爆」でHPが1になってしまうというリスクつき。カウントを下げる手段もあるのでコントロールしながら戦っていく感じです。

……が、これまたこの辺のリスク管理が苦手なので、中盤以降の出番は控えめ。全体攻撃をどんどこ撃つ必要があるような場面でメリッサと一緒に起用する感じだったかな。あと、カウント数に応じて威力が上がる武器が序盤で手に入るので、序盤はこれを使ってカウントを4で寸止めにしてから通常攻撃をする方が多かったかも。

パンイチ

「HPが100%未満の時に、付与されている不利な状態異常の数に応じて攻撃力が上がる」「さらにダメージを受けるとそのターンの攻撃力が上がる」という基本能力が特徴のカウンター型のファイター。……これまた自分が扱うのは苦手なタイプなのでアタッカーとしての起用はほぼなし。

……が、この能力とのシナジーのあるものとして、自身に各種状態異常を付与するパッシブスキルや武器がありまして……。これとヒール先生の「献身」「執刀」を組み合わせることでちょっと面白いことができたりします。詳細はネタバレになるので伏せますが、ゲーム進行に必須ではないパズルチックな強敵への解法としてこのコンボを使えた時はめっちゃ面白かったです。

さておき、そんなわけでパーティメンバーとしてはあまり起用できなかったのですが、人物としてはかなり好き。それぞれの思惑や因縁があって本作の事件に関わっていくメンバーの中で、ほぼ唯一成り行きで、巻き込まれるように同行することになった人。そこでいきなり積極的になれるほどお人好しではなく、かといって成り行きだろうとそれなりに関わっちゃった人が窮地に陥ったら放っておけるほど薄情でもなく。

面倒を避けるために敢えて嫌われるようなセクハラ発言もするけど、本当は気遣いのできる人。格好いいことも言うけど、持ち上げられると照れ隠しなのか何なのか、やっぱりセクハラ発言しちゃう残念な人。周りも段々「あ、こいう奴なんだな」と理解していってる感じで、女性陣から最低最低言われまくりますが、序盤はともかく終盤のそれは、多少なりとも親愛の籠もったものだと思います。……た、たぶん……。

善人でも悪人でもなく、ある意味、元ネタ(ツクールのランタイムの一般人グラフィック)そのものとも言える「普通の人」。そんな普通の人が歴戦の勇者とかと肩を並べて戦うのがなんかええんですよ、うん。

ってなんか妙に熱く語っちゃったけどあくまで自分の解釈ですからね!?

おまけ:強敵撃破記録

とまあ、そんな感じのユニークなメンバーの能力をフル活用していく強敵の数々も、非常に面白いわけです。こちらは攻略ネタバレになってしまうので「あのギミックが凄い!」とか言えないのがもどかしいですが……。

一応、どんな風に倒したかEvernoteにメモしたのを共有しているので、クリア済みの人で興味があれば見てってくださいませ。未クリアの場合はネタバレになってしまうので大注意!

「もう少しで倒せそうなんだけどこっちもジリ貧、一か八か総攻撃!」みたいな感じで倒せることが何度もあって、いやほんと改めて、めちゃめちゃ面白いゲームでした。

個人的には今のところ、キャラクター固定でそれに合わせて戦闘バランスがカリカリにチューンされたRPGとしての決定版が『baka30』(こっちもめちゃめちゃお勧め)、成長や編成も存分に楽しめるRPGとしての決定版が本作、といった印象。その中間くらい(「変身」により編成に幅のある序盤とキャラ固定のルート分岐後)でシリアス系としてシナリオの完成度の高い『アイマス』も、やはり未だ色褪せぬ名作だと思います。

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