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[執筆記事紹介]PS Vitaゲームレビュー「英雄伝説 空の軌跡 FC Evolution」~イベントフルボイス・新グラフィックとプレイアビリティ向上で現代に蘇る“軌跡シリーズ”の原点

[執筆記事紹介]PS Vitaゲームレビュー「英雄伝説 空の軌跡 FC Evolution」~イベントフルボイス・新グラフィックとプレイアビリティ向上で現代に蘇る“軌跡シリーズ”の原点

こちらに載せるのが遅くなりましたが、記事はFC発売日の6月11日に掲載。当時はSCのリリースは未定だったので記事末尾にリリースに期待、的なことを書いていましたが、いよいよSCも来月発売ですね。まあ流石に前後編の後編が出ないってことはないとは思っていましたが、the 3rdまでやってくれるかは半々かなあと思っていたので、そちらもリリース時期は未定ですが開発決定が発表されて有り難いことです。

さておき、リメイク版の紹介記事ということで、Evolutionでの変更点を中心に触れつつ、この機会に知った・気になった人にもどんなゲームか雰囲気が伝わるように(かつ、過度のネタバレにならないように)、というのを意識しましたが、そうはいっても既に十分評価の確立している作品ですから、7:3くらいで変更点の話寄りになった感じでした。

記事にも書きましたが、これからシリーズに触れるなら間違いなくこちらでプレイするのがお勧めですし、閃の軌跡Ⅱでシリーズがターニングポイントを迎えた(っぽい)所で改めて1作目再プレイしたいなあという人(まあ私のことですが)にも最適の作品だと思います。基本的にシナリオ等の変更は一切なく、グラフィックの強化とフルボイス化に加え、後の作品からさまざまなシステムがフィードバックされて遊びやすくなっていますので。

こちらでは記事には書かなかった細かい話とか個人的な話とかをちょこちょこと。

原曲を大事にしたBGMアレンジに感動

これは記事にも書いたのですが、改めて書いておきたいところ。

零の軌跡・碧の軌跡のEvolution(本格的にプレイはまだしてないので序盤プレイとサントラ試聴からの印象ですが)では、別物というくらい大幅にアレンジされていたので(豪華なのは結構ですが、ちょっと盛りすぎでは……という印象)、空の軌跡はどうなるんだろうと思っていたのですが……。

これがびっくりするくらい、「いい意味で」変わっていない。今回、オリジナル版の楽曲をそのまま使えるようになるDLCというのが用意されているのですが、「あれ、間違えてそっち選択しちゃった?」と思うくらい。でも比べてみると、ゲーム曲らしさを損なわない範囲で音色や音の広がりをリッチにするよう調整がかかっているのが感じられました。

あと、フィールド曲などは原曲の旋律へ自然に繋がる形で展開が加わっていたりもして、「元の良さを損なわずにリファイン」というのが徹底されている印象。ぶっちゃけ、特に思い入れの深い「銀の意志」なんかが零・碧Evoみたいな風に大きく変わっていたら受け入れられていたかどうか怪しいのですが、そこに至るまでのアレンジがとても良かったので純粋に期待が高まっていき、そしていよいよ鳴ったときは「すげえ!まんまだ!いやまんまなんだけどより格好良くなってる!」という謎の感動がありました。(あまりにも不朽の名作すぎて「今更いじれない」ってのもあるかなぁと思ったりもしましたが、それはそれ。)

ぶっちゃけ、再プレイする時間はないなあ、という人でも空の軌跡のBGMに思い入れがあるなら、サントラだけでも聴いてみてほしいです。

映画音楽のようなオープニングは歌ものOPに

そんな素晴らしいサウンド面ですが、1つだけ個人的に悲しいことも。これはもう老害めいた感傷でしかないし、これからプレイする人にはノイズでしかないので、最後まで入れるか悩んだ上で結局記事には入らないことになりましたが……。

オリジナルの空の軌跡のオープニングは、メインテーマ曲「空の軌跡」が映画音楽のようにオーケストラでダイナミックに展開するものでした。オープニングのビジュアル自体も、これから訪れる場所、出逢う人々が次々とスライドしていき想像を掻き立てる感じで。ガガーブ三部作あたりからの伝統だった気がしますが(ちょっとうろ覚え)、次の「空の軌跡SC」からは歌もののOPになるので、多分ファルコムでこの方式はこれが最後、記念碑的な作品だったと思います。

これがEvolutionでは、歌もののOPに。曲は同じ「空の軌跡」ですし、小寺可南子さんの歌も素晴らしいのですが、なかなか悩ましい。まあ、時代の流れでしょうねぇ……。とはいえこの1点を以て、Evolutionは完全にオリジナルを上書きするものではなく、オリジナルはオリジナルで取っておかないとなあ、という気持ちになりました。

せめてEvolutionのサントラに、本編未使用でも「空の軌跡」オーケストラバージョンのアレンジ版入ってて欲しいなあ、とも一瞬思ったのですが、よく考えたらそれこそオリジナル版からこれ以上変えるところはないので、素直にオリジナル版のサントラ聴けばいいかな……。

SC予告がない!

期待していたけどなかったものとしては、あとはクリア後のSC予告ですね。それどころかto be continued的な表示もなく「Fin」で終わっちゃってるのですが、全く前知識なくプレイした人(今時そんな状態でプレイできる人がいるとしたら幸せですが……)がこのエンディングで何もフォローなしは流石にまずいのでは(笑)。

今となっては前後編の前編であることはほぼ自明なので、「続き作ってるよ」と宣言する必要があった当時とは若干状況が違うとはいえ、期待の盛り上げとしても、あの予告は空の軌跡FCという作品の一部だと思っていたので何もないのはちょっと寂しかったです。FC Evo発売時点でSC Evoの発売が確定していなかったため仕方ないのかもしれませんが……。

新キャラデザも良好、けど1人だけ……

これも記事にも書きましたが、Evolutionの新キャラデザはとても好みです。最初は癖がなさすぎてキャラが薄くなってしまうかな?なんて心配もしたのですが、まあシナリオはあのまんまなわけですし、全く杞憂でしたね。表情なども細かいものまで原作のものがしっかり再現されていて、これもいいアレンジだと思います。イベント絵もギャグ系、シリアス系どちらもキャラの魅力が引き立てられていて素晴らしい。

ただ1点だけ、僕らのアイドル、アネラスちゃんの「あははー」って感じで口を大きく開けて笑っている顔が、微妙に可愛くないのだけが悲しい……。原作の同じ表情をコンバートした結果だと思うのですが絵柄の違いについていけず?というかパーツの配置がちょっとおかしい気がします。出番が増えるSCでリファインされているといいのですが……。

逆にドロシーはやたら可愛くなったなぁと思いました。

イベントフルボイス化により発生する読み方どうするの問題(ラノベアニメ化あるある的な)

ボイスの演技はお馴染みのキャストも新キャストも本当に素晴らしく、思わずお勧めボイスまとめ動画を作ってしまったくらいです。どれもいいけどやっぱりオリビエ凄いわ。子安さんが快演&怪演すぎる……。

あと文化祭の男女逆転劇はボイスが付いてあらゆる意味で破壊力がアップしていました(笑)。

それはさておき、ラノベのアニメ化なんかでもよくある話ですが、漢字+カタカナルビの用語をどう読むか問題。≪輝く環オーリオール≫がルビが振られてる初出だけ「オーリオール」で、以降は「かがやくわ」と呼ばれていたのはやや違和感がありました。響きがあんまり格好良くない……。≪身喰らう蛇≫は「ウロボロス」じゃなくて「みくらうへび」で違和感ないんですけどね。むしろウロボロスって言ったほうがよくある感じがしちゃって、「みくらうへび」の方が軌跡シリーズっぽいというか。まあこの辺は多分に主観が入るとは思いますが。

余談:数年ぶりに空の軌跡FCをプレイして(ネタバレ注意)

数年前の初回プレイ時は、やはりあの別れのシーンが衝撃的かつ悲しくてボロボロ泣いた覚えがあるのですが、んで今回も勿論じわっと来てしまったのですが……それとは別に今回、初回プレイ時はそこまで印象には残っていなかったシーンがより染みてしまい妙にボロ泣きしてしまいました。

それが終盤、リシャール大佐に声かけられて話をするところ。

空の軌跡FC Evolution リシャール大佐との対話

この人の下でなら、と慕った上司に去られて、それでも後を任された身として力を尽くして、でも届かなくて……。色々と裏もある人が確かに漏らした本音と少しの弱音。こういうのがすっかり染みるようになってしまいました。すっかりおっさんになってしまったということかなぁと(笑)。

まあ、その後の作品でリシャールさんのことめっちゃ好きになって、改めて観たシーンだからというのもあるかもしれません。ぶっちゃけFCでのリシャール大佐の悪事の数々は、SCでの超格好いい再登場(「どうか一時の間、この逆賊に御身らを護らせて頂けますよう」)を引き立てるための前フリですから……!

後の作品をプレイして……と言えば、当時はめちゃめちゃ広いと思っていたジェニス王立学園や王都グランセルも、今となっては随分こぢんまりとしてる方だなぁと思ったりも。

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