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[作品紹介]エスファリア戦記

[作品紹介]エスファリア戦記
  • 制作:IBUKI 氏
  • プラットフォーム:Windows
  • 配布形態:フリー
  • プレイ時間:15~20時間
  • 戦闘システム:CTB
  • こんな人にお勧め:CTBの中でも敵の行動を遅延させてじりじり削ってくタイプが好きな人、クラスチェンジで色々なスキルを試すのが好きな人、ちょっと懐かしめの王道ストーリーが好きな人、ザコ戦すっ飛ばしたい人

直近で紹介する作品の傾向はなるべく散らしたいとか言いつつ、またCTB+エンカウント低減システム搭載ゲーです。ちょっと訳あって最近思い出したので、その勢いで。

CTB方式のバトルにおいて、敵、味方の行動遅延がポイントになる作品は多いですが、本作の戦闘はそこを突き詰めたもの。ほとんどのスキルには個別の発動ディレイが設定されており、また敵の行動を遅らせるスキルも豊富に用意されています。回復もスキル、アイテム共に一部を除き発動ディレイがあるので、行動順一覧を見て、この辺でピンチになりそうだから先回りで回復仕掛けとくか……みたいな先読みが楽しい。

敵も強力なスキルを使うときは発動ディレイがあり、中盤以降のボス戦は明らかに「行動遅延を多用して、重い一撃を食らうまでに削っとけよ」というバランスとなっています。ディレイにディレイを重ねてどこまで粘れるか突き詰めていくのが醍醐味であり、強大な敵を取り囲んで翻弄しているようなイメージです。

行動順は画面左側に表示。「S」がついてるのがスキルの発動待ち
行動順は画面左側に表示。「S」がついてるのがスキルの発動待ち

戦闘以外では、エンカウントを自由に制御できるシステムが特徴。フィールドを歩いているとゲージが溜まり、いっぱいになってくるとエンカウントしやすくなるというものですが、このゲージ、静止しているとすぐに減っていきます。事実上、ザコ戦ノーエンカウントも可能。

自分はダンジョンでスイッチの謎解きなどしている時に敵とエンカウントするのが凄く苦手なのですが、このシステムのおかげでストレスなく謎解きなどができました。流石に完全にエンカウントなしだとボス戦で勝てないのである程度は戦う必要はありますが、レベル上げ戦闘はしなくても戦略で十分カバーできる感じです。

右上に表示されるのがエンカウントゲージ
右上に表示されるのがエンカウントゲージ

そのほかは比較的オーソドックスな作り。パーティメンバーは4人固定ですがクラスの概念があり、複数の上位クラスへの転職、複数のクラスをマスターすることで複合職が出現、一度取得したクラスには何度でも変更可能と、パーティの誰をアタッカーにするか支援にするか……といった役割分担が面白い感じで。装備品などもそれぞれのキャラクター、クラスに応じた特徴のあるレア装備が中盤以降手に入り、使い分けが楽しくなります。

キャラクターのレベルとは別にクラスのレベルがあり、極めれば新しいクラスが出現
キャラクターのレベルとは別にクラスのレベルがあり、極めれば新しいクラスが出現

シナリオは魔物を倒すために旅立った主人公が、広い世界を見て回るうちに世界の真実に触れていき……と王道。強気な王女様が成り行きでついてきたり、謎の少女拾ったり、変わり者の研究者が興味本位でついてきたりとこれまたお約束な感じですが賑やかで、しかし大事な出逢いや別れもあったりで、中盤以降なかなかぐっときます。ちなみに王女様は我が儘とか世間知らずとかではなくふっつーに生活力・交渉能力高く頼りになる人です。そして意外とお茶目。

少年の成長と世界の危機を描く王道シナリオ。作者さんはSFC時代のRPGが好きでそのあたりへのオマージュもあるようです
少年の成長と世界の危機を描く王道シナリオ。作者さんはSFC時代のRPGが好きでそのあたりへのオマージュもあるようです

クリアには必須ではないけど強力な武器が眠るやらた構造が複雑な古代文明の遺跡とか、隠しボスとか、ほどほどのやり込み要素も。回復系で似たようなスキルが乱立していたり、一部クラス間の性能差がややアンバランスだったりと荒削りな面もありますが、方向性がはっきりしておりプレイしていて気持ちのよいゲームでした。続編も制作されているようなので楽しみにしています。

ちょっと懐かしい雰囲気がする、複雑な立体構造のダンジョン
ちょっと懐かしい雰囲気がする、複雑な立体構造のダンジョン

そうそう、わたくしこのゲーム、実は一度投げかけています。しかも開始10分後くらいに! 本作では多少のレベル差は戦術で覆せますが、最初だけはスキルもない状態で、イベント戦闘に勝利するためレベル上げ戦闘をしなければなりません。そこで一度嫌になってしまいまして……。でも、「エンカウント抑制システムがあるゲームはいいゲームに違いない」と信じて頑張りました。……という話を、今朝方ゲーム関係のブログなど読んでいて「自分やっぱ作業ゲーは苦手だなあ」と再確認したときに思い出したのでした。

ついでにRPGの序盤についての話ですが、「最初だからスキルもなくて、通常攻撃しかないけどそのうち色々覚えてくからしばらく耐えてね」という方式も自分的にはかなり辛いですね……。最初からそのゲームがもつシステムを存分に体験できるゲームが好きです。もちろん、徐々に解放されていくのもよいのですが、売りの要素を最低1つは見せてほしいですね。

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