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【計11作品】2023年にプレイしたRPGを振り返る

【計11作品】2023年にプレイしたRPGを振り返る

毎年恒例の記事、今回もやっていきます。「ここまではXX年にプレイした扱いにしたい……」とこだわった結果大遅刻しがちのシリーズで、2023年版もまさに今プレイしてる真っ最中の作品をそうしたかったのですが……なかなかの大長編でまだまだかかりそうなのと、毎年のようにそんなことしてたらきりがないので、もう暦上の12月31日で強制的に切るようにしました。いや、それが普通なんですけどね。

前年の記事:【大遅刻!】2022年にプレイしたRPGを振り返る【計17作品】

3月

ワタリドリ冒険記

2022年12月に出た体験版を触ってみてかなりの好感触だったので、完成を楽しみにしていた作品。というわけで完成版もプレイしましたが、やはりどストライクでした。「9つのクラスとポイント振り直しに制限のないスキルツリーによる自由度の高いキャラビルド」「タイムライン型バトル」「即時発動して続けて別の行動ができるタイプのスキル」などなど、バトル関係で好きな要素が詰まっていて。こうした要素を駆使して戦うボス戦もギミックに凝ったものが多くて強敵と戦いがアツい! カートリッジを溜めた数だけ連続攻撃できるみたいな浪漫系のクラスも使ってて楽しかったな~。

途中からサブクラスが解禁されて2つのクラスを同時に扱えるようになりますが、あるクラスのパッシブスキルと別のクラスのアクティブスキルにシナジーあるじゃん、とか組み合わせを試行錯誤するのも面白かったです。紹介記事用に、ボス戦の動画も撮ったのでよかったら見てくだされ。戦闘曲もいいんだよな~(オリジナルではなく素材曲かと思いますが)

フィールド探索もただの通過点ではなくギミックに凝っており、ストーリーもファンタジーの裏にSF要素が見え隠れするPS~PS2時代の王道感があるもので、キャラクターも主人公のレミをはじめ魅力的でした。なんというか、どこかを省くのではない、フルスペックのRPGとしての完成度の高さを感じるんですよね。ユーザビリティも丁寧に作り込まれていて、コンソール機とかのRPGは普通にプレイするけどフリゲはあまり、という人にも勧められる手堅い1本、という感じもしています。

あと手堅い繋がりで個人的に感心しているのは作者さんの制作ペースで……。2022年12月に体験版出たので2023年中完成くらいかな~、と思ったら3月に完成版が出て。まあそれ自体は体験版の時点で全体の制作もかなり進んでたという可能性もありますが。もっとびっくりしたのは続編『ワタリドリ冒険記・第2部』のお試し版が7月に出たこと。なんとこれ、戦闘・キャラビルド系システム完全一新なんです。戦闘はタイムライン型ですらなくなりターン制で、カートリッジを消費して即時発動するスキルという新要素が戦術の要の一つに。スキルツリーもなくなって別のカスタマイズ要素が入りました。別ゲーやんけ!!

フィールドも相変わらず凝っていて、前作完成版リリースから4カ月でこのレベルの内容のものが出てくるんか……!?と戦慄しておりました。現在ではお試し版からさらにリファインされた体験版が公開されています。完成楽しみ!

ちなみに「第2部」が出ていますが、『ワタリドリ冒険記』の舞台でのお話はしっかり一区切りしていますのでご安心ください。1作ごとのエピソードとは別に、シリーズ全体にまたがる大ネタがあるっぽい……みたいな雰囲気ですね。この辺の話の広がりも楽しみなんだよな~。

4月

イース・メモワール -フェルガナの誓い-

イースシリーズ初期作『イースⅢ』のリメイク作で2005年に出た『イース フェルガナの誓い』、のさらにHDリマスター+αな作品。この頃のイースは程々のボリュームでさくさくプレイできつつアクションゲーム欲を満たせるので、ストーリーもほぼ忘れてるしこの機会に再プレイしたいなあ思ったのですが、対応プラットフォームがNintendo Switchのみ。Switch持ってないのでSteamかPSに来るの待ちかなぁと思ってたところに執筆依頼が来て渡りに船でした。(編集部からSwitch本体を貸していただきました、感謝……!)しかし結局Switch以外だとリリースされる様子ないですねぇ。せっかくなので他でも出してほしいなあ。

記事にも書きましたが、大量に湧き出るザコ敵をザクザク倒していく手応えや、自然系や遺跡など多彩なロケーションのダンジョン探索、その舞台ごとの伝承に触れていく神秘的なストーリーと、イースシリーズの魅力がコンパクトに詰まっており、数十時間はかかる最近の作品をいきなりやるのはちょっと、という人にも「イースシリーズ最初の1本」としてお勧めしやすい作品。……なのですが、よく考えたらラスボスの難易度だけは今時の感覚だとヤバすぎるかもしれねぇ……。ま、まあリトライ時に難易度下げることもできるので……。

リファインされたイラストもいい感じでした。エレナかわいいよエレナ。あと自分は最初にプレイしたのがPC版でボイスつきのPSP版は未プレイだったので、声も始めて聴きましたが可愛かったです。CV野中藍さんだったんだ……。

ボイスといえば、アドルもっと喋って派として個人的に大注目だったのが、メモワール版でのアドルのボイス追加。もともと台詞はないのにボイスとは?戦闘時の掛け声とかのことだけじゃないみたいだけど……と気になりつつプレイしたのですが、「ナレーションでアドルの行動を示す場面にボイスが入る」という形でなるほど!となりました。例えば「アドルはガードナーに自己紹介をした。」というナレーションに「はじめまして」という感じですね。あとは一部のボス戦の開始時なんかにはアドルが決意を語るようなボイスがあったりとか。

一言二言なんですけど、長年アドルを演じられている梶裕貴さんによる演技によって、短い台詞の中からしっかりアドルらしさが伝わってきました。有り難し。

という感じで個人的にも満足度の高い再プレイでしたが、正直に言えば「この頃のイース再プレイしたいなあ」の大本命は『ナピシュテムの匣』だったりはするんですよね……。やはりシリーズ再始動の狼煙的な作品なこともあって思い入れも深いというか。あとタイトルが格好良くて好き。シリーズの中でも人気作だとも思いますので、こちらも今回みたいなリマスターとリメイクの中間みたいな感じでお願いしたいですねぇ……。

7月

Numinos ~半神のアルケミスト達~

公称ジャンルは上記の通りSLGですが、まあRPG的なバトルもあるしということで「2023年にプレイしたRPG」に含めさせていただきたく……。

戦闘含め色々しつつキャラを育成していくゲームですが、その戦闘がめちゃめちゃ面白かったです! 戦闘中にキャラごとに異なる条件を満たすことで「神化」が起きて、ステータスが上昇したり神化解除と引き替えに大技を使えるのが特徴ですが、この条件がキャラごとにユニークで、育成により習得していくスキルも含めて、キャラごとに戦闘コンセプトが存在する感じ。

育成の期限が設けられており、それまでにいかに自分なりにメンバーを強化していくか、という面でもやり応えがありました。自分は最初期のバージョンをプレイしたのですが、その後も開発が続いており、どんどんシステムのアップデートやキャラクターの追加などが行われているようです。区切りのよさそうなところで再プレイしたいなーと思います。

8月

毎年恒例、WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)の季節です。というわけで今年もわたくしに刺さったRPG3本のまとめ記事を書きました。

ここ数年、毎回コンスタントに3本くらい自分に刺さるRPGがあって、やっぱウディコンすげーな……となりますね。60~70本程度のうち3本って少なくとも自分基準だと相当ヒット率高くて、全体のクオリティが高いからこそだと思います。

というわけで以下は、記事で紹介した作品それぞれについて。

ビャッコーギャモン

アクションもストーリーも、激アツ!!!!でした。台詞回しの外連味がね……もう尋常じゃないのよ。声に出して読みたいカッコいい台詞のオンパレード。演出も含めて熱量と勢いが凄まじい。

それでいて勢いだけじゃなくて、誰が味方で誰が敵かの謀略渦巻くサスペンス要素に、徐々に明かされていくにつれスケールの大きさに圧倒されるSF設定や伏線回収の妙と、練り込まれたシナリオに唸らされました。「デモンズ」という呼称の真の意味が明かされておおっとなったりとか、小ネタの使い方も巧いのよ……。そういった要素が全部収束して辿り付くラストシーンがまた激アツなんだなあ!

キャラクターも、敵も含めて魅力的でしたが……そんな中でも我らがヒロイン、メズル。どどどどどストライクです。惚れました。ちょっとギャルっぽい口調と一人称「余」のギャップがまず軽いフック。そこから腹黒策士っぽいところを見せつつもワルになりきれない感じが可愛かったり、徐々に奥底にある熱い思いが垣間見えてきたり。主人公ダンジェロにとっていずれは倒すべき敵なれど一時共闘、からの関係性の変化も丁寧に描かれていたなあと。一人称「余」についても、最終的にはその理由を察して胸がアツいんですよね。面白要素を胸アツに繋げるの、達人の技ぞ……!

いやーまだまだ語り足りんのですが兎に角メズル、今年新しくプレイしたRPG……を越えて全ゲーム、いや全エンタメの中で、個人的にNo.1ヒロインでした

あとはもちろん我らがヒーローダンジェロも格好良かったのですが、それ以外だと個人的に好きなのが渋格好いいヨンドゥドゥさん。あとちょいネタバレ寄りだけど先代怠惰領主もね……改めて序盤プレイしてうわーっ!てなったよね。どちらも信じる未来に向けて動いた、熱い想いを飄々とした態度に隠した大人達という印象でした。こいうキャラがいるとね、お話にピシっと1本筋が通るよね……。

零落と紺碧の海神

ウディコン名物(と僕が勝手に考えている)、「シンプルなルールで奥深い駆け引き」枠。システムとしては消費型アイテムで戦うノンフィールド・ローグライクですが、アイテムごとの特殊な固有能力とかは存在せず、汎用のパラメーターの組み合わせだけでここまでアイテムに個性出せるんだなーというのが興味深かったです。固定枠の自由帳を除くとアイテム所持枠が4つだけという、十全の備えをするには圧倒的に枠が足りない感もローグライクとしての取捨選択を促進する感じで面白かったですね。

幻想的かつ情緒的に語られるシナリオも染みましたが、まあ掴みが強いよね……。芝居がかった台詞の白ワンピ幼馴染み概念最強説。「君は、もう一度世界を救う気にでもなったのかい?」もいいけど、(終盤の台詞だけどPVにもあるので書いちゃいますが)「最後の奇想天外を始めよう」もぐっと来ますなあ。

未来よ心のままに

  • ノンフィールドRPG(というのが公称だけどADV+RPGという方がイメージしやすいかな)
  • フリーゲーム(ふりーむ!

戦闘システムを言葉で説明するのがめちゃめちゃ難しいゲーム。記事では何とか雰囲気だけでも伝えられればと頑張りましたが、さて……。陣取りゲームに例えたのは我ながらいい線行ってるんじゃないかとは思うんですけど。ともあれ、一度どういうことか掴めばグングン面白くなっていくし、戦闘のテンポ自体はむしろサクサクなんですけどね!

(以下、作品自体からは話が逸れます。作品自体について語りたいことはおおむね記事の方に込めました。)

そういった初見のとっつきにくさを考慮したとしても……今回の内容でランキング圏外は流石に「マジか!?」となってしまいました。他のコンテストならともかく、システムの独自性を高く評価するプレイヤー(≒投票者)が多い印象のウディコンならもうちょっと行くと思うんだけどな~。実際、斬新さ部門では16位取ってるんですよね。じゃあ他がよくないのかといえば、ストーリーはAIものとしてなかなかぐっと来ますし、ビジュアル面も少なくとも減点要因はほぼない思うし(戦闘画面が若干殺風景といえばそうかもですが)。これで60作品30位に入らないというのは、え~~!?って気持ちです。最初に書いた通り全体のレベルが高いから、といえばそこはそうではあるんですけども。

「もっと評価されるべき」というのは個人的には使ったら負けな言葉ではあるんですが(RPGのプレイと紹介をライフワークに掲げてる身としては、なに他人事みたいに言ってるんだお前が広めるんだよ!という自己ツッコミが入らざるを得ない)本作については思ってしまいました。ただこれについては個人的な反省点もあって。プレイするのがちょっと遅かったかなと……。もっと早くプレイして、投票期間までに面白さを繰り返し発信していれば、少しは何かが変わったかもしれない。

自分、この手のコンテストだと期待作ほど、プレイを後回しにしちゃうんですよね。純粋に最後のお楽しみにというのが半分、あとは「後になればなるほどアップデートが重なって完成度が上がってるはず」という下心も半分……。『未来よ心のままに』は過去数作品が自分の趣味に合っていた作者さんの新作ということでこの枠に入っていました。でも今回で思うところがあったので、次回ウディコンではなるべく早めにプレイして推し活、頑張っていきたいと思います。なにしろ作者さん、もう次回作の制作を進められてますからね。楽しみ!

ちなみに自分の持つウディコン作品拡散ルートの中で一番強いのはやはりもぐらゲームスの記事だと思うのですが、これについては記事を出すのは投票期間の終了後と決めているので推しゲープレゼンには活用できず。実際ありがたいことに記事を見て本作をプレイしてくれたという方も居たので悩ましいところではあるのですが……。SNSや個人のブログであれば、その辺で応援することも含めて「イベント参加」だと思うので気にせずでよいと思いますが、商業媒体は一歩引いた立場であるべきと考えます。

ついでにどうでもいい自分語りですが(このセクション全体がそうと言われればそれはそう)、ウディコン作品の特集記事については投票期間終了後から結果発表の間という「投票に影響を与えず、投票結果から影響も受けない」タイミングで出すのが個人的なこだわりです。

以上、作者さんご自身はもう次に向かわれてるのに、ただのいち作品ファンがSNSでこういうこと言うのもな~と控えてたので、この機会に。ここは自分の城だからいいのだ

9月

Witch Fragment

  • SRPG
  • 有償インディーゲーム(BOOTHDLsite)※体験版あり

“宿命に翻弄されるターン制ストラテジー”を謳う作品。SRPGは苦手なジャンルなんですが(この話はいつかどこかでしたいが、しかし今ここではない)『キャンディリミット』の作者さんの久々の新作ということで、頑張ってプレイする覚悟を決めて購入しました。

難易度高めのワンマップに挑む作品で、セーブ無しの一発勝負。案の定下手っぴぶりを発揮しまくって、今だから書くけど正直投げかけたこともありましたが、再挑戦するたびに進めやすくなるシステム上の仕組みもあって、何とかラスボスまで到達。仲間達を犠牲にして(めちゃ強くて全然倒せない敵の囮にして)単騎で辿り付いた時点で、まあ倒せないだろうけど様子見するか~と思ったら反撃が通ったこともあって意外といいところまで削れて「これワンチャン倒せるのでは!?」と思ったけどやっぱりダメで「惜しい~~~!!!」ってなった頃にはもう完全に熱中してました。

この惜しいという気持ちをバネにもうひと頑張りして、いよいよクリア。かーらーの、同じマップでありながら物語も、攻略の仕方も転換する瞬間。“これ”を味わいたかったんだよ!と大歓喜です。大前提が覆り、でもちゃんと今までの積み重ねの上にもあると感じられる。キャンディリミット同様、この転換がBGMの変化で演出されるのもぐっと来るんですよね……。「あ、これ最終局面だ」というのが曲からビシビシ伝わってくるのです。

システムによる演出も色々とアツかったけど、大技使ったときとかに敵側で発動するとムキーッ!となりがちだった宿命回避(発生すると命中率・回避率に関係なく絶対回避)をああいう風に使われて、このためのシステムですと言われたららもう文句言えねえじゃん……参りました!!

それと、ちょっとネタバレ度が高い話になるので少しぼかした言い方にしますが(ぼかしきれてないかも)、プロフィール閲覧機能的なところで人となりを知れるけどゲーム中では“ユニット”でしかなかったキャラクター達が、最終局面で名実共に「仲間になってくれる」のが嬉しくて……。加入時に会話があるくらいまでは想定してましたが、キャラ隣接時の掛け合いなんかも色々あって一気に賑やかに。バーベキューソース(※人名です)、まじでムードメーカーだったんだな~とか色々伺えて楽しかったです。

10月

英雄伝説 黎の軌跡Ⅱ -CRIMSON SiN

感想は個別記事の方にだいたい書きましたが、やはりループものとして面白かったのと(ループ画面の曲がめちゃめちゃ好きという補正はちょっとあるかも)、推しカプであるすーなーの参戦が嬉しかったのがとくに印象深かったなーと、プレイしてから少し経った現在、改めて思いますね。

その両方の要素が詰まったクライマックスの一つと言えそうなシーンのスクショ(上に載せたもの)を感想記事のアイキャッチ画像にしましたが、僕がPVとか作るなら最後はここ持ってくるだろうなぁ、とか思いつつPVを見返したら実際そんな感じだったのでちょっと笑っちゃいました。いやーやっぱ使うよねここ!

11月

イースX -NORDICS-

自社による過去作のNitendo Switch移植なんかも経て、いよいよ最新作をNintendo Switch同時発売!というタイミングで、時代設定を久々に一気に遡って最初の冒険の直後にしたり、物語の中心となるメンバーを町の若者達にして家族との関係性という身近なテーマを彼らのドラマの軸にしたり……と、Switchのユーザー層を意識したような内容が印象的でした。

ビジュアル面もなかなか攻めてるなと……。カージャのスパッツっぽい衣装とか、世界観的には結構ギリギリ感ありますが、個人的には挑戦的で良かったと思います。システム面も、タイミング的にそろそろ『イース7』から続いた3人パーティ3属性はリセットかかるだろうと思っていましたが、完全に別物にしてきたなと。

個人的に凄いなと思ったのが、探索と戦闘それぞれの要である海洋探索とコンビアクション、これどっちも今回の設定と深くリンクしてるので次回作に使い回せないんですよね多分。毎回作品ごとに基幹システムのレベルで新しいことやってくぞ!という宣言にも感じて頼もしく思いました。イースシリーズの未来は明るいぜ。

カージャもダブル主人公的なキャラクターとして、ダーナとはまた違った新しいヒロイン像を見せてくれたかなと思います。ただファーストコンタクトの際に、ルールと約束を破った相手に対して法に則ってとはいえ、処刑(殺人)をするのは……挑戦的を通り越して「やっちゃうんだ……」という気持ちは正直ありましたね。法といっても半ば彼らが侵略的に押し付けたようにも見える法だったりしますし。

「そもそも死刑にまで値する罪なのか?」というのはあくまで現代日本の価値観であって作中世界のこの時代の価値観はまた別、というのは頭では理解していても、感情面でどうしても引っかかりは感じてしまいました。「その瞬間」自体はギリギリ描かれてないので寸止めして追放したのがあとで判明するみたいなオチかなとも思ってましたが、そうでもなかったという……。

という点と、あとなんぼなんでも船の初期速度が遅すぎるやろ!という点(あれでも速くしたらしいですが)から、序盤はノリきれない部分もあったのですが……徐々に、そういう所も含めてノーマンという存在を誤魔化さずに描くんだ、というのが感じ取れてきたし、我らがアドルが受け入れてるんだから僕も受け入れよう、みたいな感じでわだかまりは薄れていきました。

そうしてるうちに中盤あたりに、ファーストコンタクトの時の事件の後日談とも言えるようなサブクエで当時の自分を省みるシーンがあるあたり、やはりこの辺は自覚的にやってはいるんでしょうね。そんなこんなで、中盤を過ぎる頃には素直に格好いいし、(家族的な意味で)愛おしいキャラクターになっていました。……と、キャラに愛着が沸いたあたりであの展開が来るんだもんなぁ、やってくれるぜ……。

ちなみに初期のカージャ、あれがいいんだ!って人が、中盤の喋り方の変化で逆にガッカリしないかはちょっと気になりました。バルタ島の住人とこまめに話したりしてると、身内にはもともとあの喋り方なんだな、というのはわかるのですが。それにしても今時「~わよ」的なバリバリの役割語かー!という感想もなくはない。まあ、わかりやすさ重視だとそうなるとは思いますし、別にその程度で彼女の軸の本質がブレるわけではないので全然いいんですけどね。

まあでも個人的にはカージャと同等以上に、今回のヒロインはリラさんでしたね!アドルに対してではなく「あの人」に対しての、ですが。あとある意味「あの人」自身もヒロインなんだよなあ……待ち続けて待ち続けて。まあ誰がヒロインとか、言葉遊び以上の意味はないのかもしれませんが。イースのシナリオはその土地ごとの伝承・神秘を絡めてるのが特徴だけど、今回はそれの「個人の物語」への落とし込み方がとても美しかったと思います。

話は変わりますが、いや変わってないかもしれませんが(ふんわりとネタバレ回避気味)今回、ラスボス戦が最高でしたね!命懸けの真剣勝負、でもそれは相手を討ち滅ぼすためのものではなく。そういう点でもちょっと新時代を感じたかな……。某キャラクターの真の姿への変化もすごく綺麗で、見とれてしまいました。ここに限らずですが、今回パーティがこの二人決め打ちであることを活かしたカットイン演出が激アツでしたね……。

システム面では、ガードがコンビモードを兼ねてるのが発想の勝利だなと思いました。二人組で単独・共同モード切り替えみたいのはそんな珍しくないだろうけど、シンプルで爽快が売りのイース的には操作の複雑化を避けたいであろうって所に、新要素(コンビモード)と戦術上安牌なアクション(ガード)が合体することで、ボタン数を減らせるし、とりあえずガードという択がコンビ攻撃という強いアクションを兼ねるので自然に誘導できる。「アイデアとは複数の問題を一度に解決するもの」という言葉がありますが、それだなぁと……。

それと、新規を意識した分シリーズファンへのサービスは薄めになるのかな、と思いきや、これは後の冒険のアレに繋がるんだな、みたいな会話とかも結構あって楽しめました。過去作への伏線(?)を張りまくっている!「赤毛のアドル」という渾名の由来は今回の冒険だった(ってことになった)んだな~とか。

シリーズのお約束的な話だと、本作では最強武器をシナリオ上で失うので「次の時系列の作品で持ってないの何故?」問題が起きないんだけど、だからこそな小ネタも良かったです。エピローグで持ってる武器が初期武器と説明文を含め一緒なんだけど、「新たな冒険」が示すものが別っていうね……

あとファンサービスといえばある意味大問題のエピローグのアレですが……。いやマジでどういうつもりなんだよアレ!回収する気あるんか!?剛速球投げるだけ投げて投げっぱなしか?ここまで情緒揺さぶった責任とってもらいたいんですけど、ねえファルコムさん??

……さておき。あとはローザも可愛い(でも可愛いだけじゃない)よねとか、他のキャラクター達や冒険の思い出についても語れることは尽きないんですが……流石に長すぎるのでこのくらいで。こんだけ書くことあるんだったら、普通に個別感想記事出せばよかったな……。

年間を通して(運営型アプリゲーム)

原神

引き続き365日欠かさず、生活の一部としてプレイ中です。2023年に撮影したスクショ、数えたら4194枚ありました。

日々の感想をライフログとしてTwitter(旧X)になんでも書いちゃってるので、今更ここに書くこともない……という話も昨年したなあ。フォンテーヌのメインシナリオめちゃめちゃ良かったです!というのも、もはやめちゃめちゃ良いのが当たり前すぎて……というのは流石に恵まれた環境に慣れすぎてしまっているだろうか。

環境といえば、新バージョンの実装直前に「さらにその次のバージョンで実装されるキャラの立ち絵」が出るのもいい施策だなあと、今更ながら思ったり。新バージョンが出て新キャラの評価なんかもだいたい落ち着いた所で、今度はその次のバージョンで実装されるキャラの能力予想とかでワクワクできるので興味が途切れないんですよね。

わたくし割と最近まで、あの立ち絵公開が決まったスケジュールで行われているのを把握してなかったのですが、新バージョン予告番組の時期や、そもそもバージョンアップの間隔自体も基本的に一定であることによって、原神が生活サイクルの一部になっているという感覚がより強くなっているんだろうなあと感じています。

ゲーム内の話での特記事項は……そうそう、アナが冒険者になった話は書き残しておきたいな。これはプレイヤーごとに進行状況が異なる、「うちのテイワットの2023年の出来事」と言えるものなので。

ランダム発生のデイリー任務でアナの薬の材料を集め続けるとアナの病気が治ることまでは情報として知っていたし、その後のお転婆っぷりもデイリー任務として体験していたのですが……最終的にアナが冒険者になってその手伝いをするデイリー任務があるのは一切知りませんでした。ログインして「冒険者、アナ!」というデイリー任務が発生したのを見て「まさか」と思い、行ってみたら冒険者協会の制服姿のアナが居るのを見て……正直、本気で感動してしまいました。病気で家族に迷惑をかけるのを嘆いていた女の子が、夢を叶えて……。流石に感慨深いです。なにしろここまで来るのに2年くらいかかってますからね……。

メインストーリー以外のところでも、世界に不可逆の変化が発生するのが原神の好きな所なんですよねー。続きもののデイリー任務みたいのも結構あって、これもテイワットという世界に「住んでる」と感じられるような要素の一つかなと思っています。

メギド72

こちらも引き続き、PvEはストーリーを追うための最低限で、ゲームとしてのプレイはPvPメインという形で遊んでいました。

ネルガルの反撃が案外強いとか、大会という緊張感のある場を通して知見を得られたのも良かったです

PvPにおいては久々に編成縛りが一切ない、いわゆるガチ寄りの有志大会である「前田光世杯(仮)」に参加し、優勝できたのが嬉しかったです! こういった腕試しの場に挑戦することを最終目標として、日々の野良フリーバートルで経験を積んでいるという面もありましたので。参加レポートの記事でも書いたように、運に恵まれた面は大いにあったのですが(謙遜でないのは実際の試合内容を見ればわかります、とくに決勝戦は恥ずかしいプレミも多かったのを運に救われてしまった……)それでも実績を残せたのは良かったなぁと。

というわけで、大会参加編成のベースにもなった、色々と調整しつつも使い続けた編成の最終形態と、2023年の最終戦績を記録として掲載しておきます。(※ベルゼブフが実装された12月7日以降はPvPをプレイしていないので、最終戦績はそれ以前のものです)

※今年のアップデートで実装されたCPU戦を、リーダー戦績に影響すると知らずに4戦やってしまったので、リーダー戦績は対人戦のデータとしては少しだけ不正確です(ここも対人戦とCPU戦は分けてカウントしてほしい……)
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